掛布2軍監督“初陣”2・11に決定

 阪神・掛布雅之2軍監督(60)の初采配が来年2月11日の練習試合、韓国・ハンファ戦(安芸)になることが16日、わかった。“開幕戦”の先発には育成選手の田面巧二郎投手(25)を早々と抜てき。若手育成のテーマの下、背番号31の野球が南国・安芸でスタートする。

 掛布2軍監督の初陣が、来年2月11日の韓国・ハンファ戦に決まった。場所は、2軍キャンプ地の高知県安芸市営球場。現役時代に血みどろになるまで白球を追いかけ、鍛錬を積んだグラウンドだ。28年ぶりの縦じまが再びあの頃の情熱をよみがえらせる。一人でも多くの選手を1軍へ-。背番号31の新たな挑戦が幕を開ける。

 生え抜きの大砲育成を最重要課題に挙げ、突き進む指導者の道。記念すべき「初采配」はその第一歩だ。若手選手を中心に出場させる予定で、特にサインを出すつもりはないという。自分の持っている全力を出し切り、1軍昇格へ熱い気持ちをぶつけてほしい。現状の力を確認すると同時に、気持ちの部分も感じ取るつもりだ。

 先発を託すのは現在、台湾で開催中のアジア・ウインターリーグで奮闘してる育成の田面だ。プロ3年間で1軍の登板はなく、3桁の背番号となった今季はウエスタン9試合に登板し、防御率4・50。それでも、潜在能力には可能性を感じる。金本監督も150キロに迫る直球に対し「とてもじゃないけど育成には見えない」と太鼓判を押す存在。本人も覚悟を決めている。

 「言われたからには、しっかり抑えられるようにします。照準を合わせて、100%でいけるようにします」。キャンプイン初日の2月1日に予定されているシート打撃に登板し本番に備える。3イニング、45球を目安に力強く先陣を切る。

 今月14日に台湾入りし、ウインターリーグを視察中の掛布2軍監督は「競争意識」の大切さを強く感じている。阪神の陽川と巨人の岡本がいい例だ。4割近い打率で競う両者の関係こそが成長へのヒント。まな弟子たちが汗を流す異国の地で大事なことに気づいた。

 「チーム内でも競争ができるように、2月1日からそんな環境をつくっていきたいね」

 監督として迎える初めての春はどんなものなのだろうか。台湾での野球を見ながら、想像を膨らませている。

 背番号31がタクトをふるう。12時30分のプレーボールが「掛布野球」のスタートだ。

2023-11-05
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