和田監督日本一締めや!棚ぼたCS決定

 セ・リーグが全日程を終了した7日、今季最終戦で広島が中日に敗れたため、阪神の3位が確定した。棚ぼたながら、3年連続のCS進出を果たした和田豊監督(53)は10日から開幕する巨人とのCSファーストS(東京ドーム)へ向け、挑戦者として挑むことを宣言。下克上で頂点に上り詰め花道を飾る。

 ビッグチャンスが訪れた。広島が敗れ、他力ではあるがCS進出が確定した。頂点に上り詰める挑戦権は得た。和田監督は広島-中日戦終了後、広報を通じてコメントを出した。

 「本来は自力でCS進出を決めたかったですが、選手たちとタイガースファンの皆さんが最後の最後まで諦めなかった結果が、CS進出につながったのだと思います」

 まれにみる大混戦となったセ・リーグ。めまぐるしく変わる首位の座をめぐり、一進一退の戦いが開幕から続いた。阪神も一時、首位を走ったが、9月に大失速。終盤での勝負弱さを露呈し、優勝争いから脱落した。

 和田監督にとっても悔いが残るシーズンとなった。1年契約で臨んだ今季、優勝が義務づけられていた。しかしV逸が決まり、9月30日には今季限りで退任することが発表された。それでも「リーグ優勝は逃したけど、それ以外のすべてのチャンスがある」と最後の責務を全うすべく、3位からの日本一に気持ちを切り替えた。

 最初に立ちふさがるのは宿敵・巨人だ。敵地・東京ドームで行うCSファーストS。今季の巨人戦は9勝16敗と大きく負け越し、東京ドームでも2勝11敗と分が悪い。

 だがいいイメージもある。昨年のCSファイナルS。東京ドームに乗り込み、巨人に4連勝。快進撃で日本シリーズに出場したあの興奮を、再現すればいいだけだ。

 この日はCSに向けて甲子園で全体練習が行われた。和田監督は来るべき日に備え、必死に汗を流す選手たちを見守った。スタンバイはOK。「挑戦者として試合をできる喜びをかみしめながら、東京ドームでタイガースファンの皆さまと共に戦いたいと思います」と力強く誓った。

 リーグ戦の屈辱を晴らすチャンス。巨人を撃破し、リーグ覇者・ヤクルトも倒す-。和田監督にとっては最後の指揮となるCS。ふがいない結果となったシーズンの汚名返上へ、下克上日本一に向けて前に突き進む。

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