岩本しびれた~1死満塁斬り

 「阪神10-8ヤクルト」(31日、甲子園)

 18球で試合を立て直した。六回2死、強力ツバメ打線の4番畠山の打球が背走した左翼マートンのグラブに収まると、阪神・岩本はガッツポーズ。「完璧にいったと思ったんで」。マウンドではほとんど表情を変えない22歳が、珍しく笑顔を見せた。

 「とにかくいつもどおり、打者に向かっていくつもりでした」。五回1死満塁で高宮からスイッチ。5-7。もう1点もやれない場面で代打田中浩を三直に抑え、比屋根を三振に仕留めた。

 イニングをまたいで六回に見せた主軸との真っ向勝負は圧巻だった。この日打率トップに立った川端をフォークで一ゴロ。続いて迎えたのは本塁打トップを走る山田だ。ここで初球に投じたのが得意のスローカーブ。計測不能の山なりボールで見逃しストライクをとると、追い込んで再びスローカーブ。高めの球をたたいた山田の打球は力のない中飛に。畠山まで強打者3人をなで斬りにした。

 今季は開幕ローテ入りしたが、1勝1敗で5月に2軍降格。しかし、再登録後は7月25日・DeNA戦に続き、2戦連続で無失点と結果を出している。「これを何回も続けていかないと。(登板は)毎回チャンスのようでピンチなんで。それは何回抑えても同じです」。その覚悟が、今の1球1球に込められている。

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