安藤救った ピンチ見事“火消し”
「交流戦、阪神3-0ロッテ」(4日、甲子園)
阪神・安藤が完ぺきな制球で4日前の悪夢を振り払った。七回。最少リードを守ってきた岩貞が2死から招いた一、二塁のピンチでコールを受けた。
相手はパ・リーグ首位打者の清田。「外」を徹底する藤井のミットを寸分も動かさず、カウント2-2から最後は外角に沈む変化球で中飛に打ち取り、火消しを完遂。降り注ぐ大歓声の中、笑顔もガッツポースも見せない37歳は歩みよった藤井と軽く握手を交わした。
「岩貞が頑張っていたので…。勝ちがついて良かった」
今季14試合目の登板は15年シーズンを占うといってもいいマウンドだった。前回5月31日の西武戦、七回に中村に逆転3ランを浴びた。被弾したシュートの制球は藤井のミット通り。それでも、能見の勝ち星を消した非情な現実が脳裏から離れることはなかった。
「あの時の反省も踏まえて投げました。コントロールだけ気をつけて。リーディングヒッターですから」
あれから中3日。向かう相手は違えど、ここまで打率・365のヒットメーカー相手に1球もスキを見せず、岩貞のプロ2勝目を力強く後押しした。
「本来の向かっていく姿勢が出ていた。これで取り戻してほしい」。ピンチで迷わず送り出した和田監督は雪辱を期すベテランの闘志を称賛。14年目安藤、復権の夜になった。