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隼太激白「新たな挑戦」中堅獲り&G倒

 ハヤタ、変身-。センターのレギュラー争いに挑む阪神・伊藤隼太外野手(25)が1日、デイリースポーツに「新たなチャレンジ」を語った。4月30日・ヤクルト戦(甲子園)で貴重な同点適時二塁打を放った11年のドラフト1位は、先発6試合で打率・389を残し、大和、俊介、江越らと競う定位置争いを白熱させている。キャンプ期間中の不振で開幕を2軍で迎えた勝負の4年目、フォームを見つめ直し、変身を遂げつつある。

 劇的な逆転勝利から12時間後、伊藤隼は早々と荷造りを済ませ、自宅の戸締まりを確認していた。目覚めは早朝7時過ぎ。設定したアラームより2時間以上、早かった。「休みの日に限って起きちゃうんですよ。二度寝もできそうになかったんで、もう早く行こうかなって」。午前11時。チーム一番乗りで新大阪発ののぞみに乗り込み、東京へ向かった。

 前夜の興奮冷めやらぬ月替わりの朝、伊藤隼は新たなチャレンジについて明かした。

 「まだまだ全く満足はしていないですけど、自分の中で少しだけ手応えがあるんです。昨年ある程度これかなというものがありながら、キャンプの途中から感覚的な狂いが出てきてしまって…。いろいろと試行錯誤しながらやっていたんですけど、結果も出ず、内容もあまり良くなかった。これは(2軍に)落とされて当然だと思いました。このままじゃいけないと思いましたし、新しいものをつくり出すと言えば大げさですけど、いろんなことにチャレンジしていこうという気持ちになったんです」

 前夜をプレーバックしてみると、4連勝をもたらした五回の同点適時二塁打に隼太の言う「新しいもの」が見て取れる。1死からマートンが四球で出塁した直後だった。1ボールからの2球目。セットポジションから右腕・新垣の左足が地面から上がろうかというタイミングで、伊藤隼の右足が一度ピクッと反応する。そこから再度右足を上げ、浮いたフォークを左中間最深部まで運んでいた。

 「今やっているのは、できるだけ始動を早くすること。昨日は早め早めにタイミングを取ろうと思っていたので、始動のタイミングをうかがいました。昨年まであまり意識していなかったというか…。頭の中にはありましたけど、どういう形で始動するかというところまで深く追求していなかったと思います。バットを構えているところから腕を(捕手方向へ)引くことだけが始動ではなくて、右足にいったんポンと体重を乗せてから始動したりだとか…。いろいろと考えながら取り組んでいるところです」

 3月6日に首脳陣から2軍降格を告げられた。キャンプ期間中、オープン戦や練習試合、紅白戦を含む実戦12試合で30打数4安打、打率・133と不振を極め、本人も納得する形で再調整に臨んだ。昨季は52試合の出場で打率・294、2本塁打。11年度のドラフト1位が3年目にしてポテンシャルの一端をのぞかせただけに、今季は色鮮やかな開花が期待されていた。

 開幕1軍を逃し、約1カ月間、チャレンジを試みた。2軍で状態を上げ、4月14日・中日戦(ナゴヤドーム)で昇格したものの、22日・DeNA戦(横浜)までスタメン3試合を含む5戦で11打数1安打(打率・091)と停滞。再び降格がチラついた。だが、25日・広島戦(マツダ)で黒田から今季1号を含む3安打をかっ飛ばし、隼太株が急上昇。この試合を含めて先発した3試合で打率・667を残し、「変身」をホンモノにしつつある。

 「ファームで少し結果が出たので1軍に上がってこれましたけど、上がったころはまだまだ取り組んでいることが固まり切っていなかったこともあって、結果も伴いませんでした。もう、ギリギリ崖っぷちのところまでいって、ひとつ自分の中で吹っ切れたというか、結果うんぬんよりも、もっと自分のバッティングのことを集中して考えようと。真剣に向き合って結果も伴ってきたので、そういう意味では、今はいい方向にきているかなと思っています」

 15年もセンターは大和で不動。これが大方の見方だった。12球団最高とされるあの守備力を凌駕(りょうが)することは並大抵ではない。ところがだ。思わぬところから新星が出現した。ドラフト3位ルーキー・江越が非凡な打力で頭角を現し、大和でさえ安穏としていられなくなった。2軍で3・27を迎えた伊藤隼だって心中穏やかではなかった。

 「焦りがないと言えばウソですよね。自分より年下の外野手が1軍で試合に出ている姿を見ていると、もちろん悔しかったですし…。でも、足元を見つめ直して、今、自分のできることをやろうと思ってやってきました。僕はバッティングを求められていると思うし、結果が出るに越したことはないです。1試合打てなければ代えられるくらいの危機感を持ってやっているので、正直、毎日不安ではあります」

 さあ、巨人戦。敵地での伝統の一戦は伊藤隼にとって今季初だ。2年前の5月はほろ苦い思い出が残る。本塁打のち拙守…5月8日、あの24歳の誕生日、東京ドームでのシーンをいまさら聞いてみた。

 「あの打球を捕っていたらと考えることはあります。でも、もう…。巨人戦はやっぱり特別だと思いますよ。タイガースにいれば周囲からずっとそういうふうに言われますし、意識しないほうが難しいですよ」

 15年の誕生月を笑顔で振り返るために、このGT戦を「ハヤタ変身」の礎にする。

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