江夏臨時C 島本にサプライズ“一投賞”

 「阪神春季キャンプ」(8日、宜野座)

 阪神・江夏豊臨時コーチ(66)が指導最終日となった8日、“江夏賞”として島本浩也投手(21)に自らのグラブをプレゼント。「頑張ってもらいたい」と激励の言葉を贈った。育成から支配下を勝ち取った左腕に大きな期待を寄せていた。

 雨の影響で室内でのスタート。江夏臨時コーチの指導はこの日で終了とあって、アップを前に全体に向けて訓示を行った。さらに投手を集めてサプライズが待っていた。輪の中から指名したのは島本。キャンプ用に持ち込んだ自らのグラブをプレゼントし“江夏賞”を授与した。

 「彼の投げている姿を見て決して恵まれた体力じゃないのにいいボールを投げていた。昨年までの3桁の背番号(育成選手)から頑張って2桁をもらった。今の時代、恵まれた環境の中で注目されて入って来る人ばかり。そういう人も頑張っているんだなと思った」

 176センチ、65キロと投手の中でも小柄。それでも投げ込むキレのあるボールは目を見張るものがあった。おまけに同じ奈良県生まれ。自然と引きつけられた。

 島本だけではない。当初の7日までの予定を1日延ばし、飛行機の出発に間に合うギリギリの時間までブルペンで熱い視線を送った。サブグラウンドでは投手陣のキャッチボールを見て、榎田に身ぶり手ぶりでアドバイスを送り、福原から質問を投げかけられれば、親身になって経験を伝えた。

 「少しでも自分と接して会話したことを参考にしていただければこの1週間の成果だと思う。いち先輩として大変ありがたい。ただ、ひと言言ったくらいで1軍で勝てるような甘い世界じゃない。あとは彼らの工夫。決断力を持って、思い切ってチャレンジして意識も変えることが大事じゃないかな」

 自然と言葉が熱くなった。可能性のある選手がたくさんいる。教えたいこともたくさんあった。限られた時間の中で、選手たちを混乱させることなく、伝えられることを選んだ。「明日からはいちファン。いち評論家として見せてもらう」。その言葉にすがすがしい達成感をにじませていた。

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