新井5千万円減「『V争い』は飽きた」

 阪神・新井貴浩内野手(36)が13日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、12年から変動制の3年契約を結んでいるため、今季から5000万減の年俸2億円プラス出来高払いでサインした。右肩が完治した来季は、すべての部門で自己最高の成績を残し、チームを優勝に導くことを誓った。

 今季年俸2億5000万円から、20%の大幅ダウン。それでも新井は15分ほどで交渉を終え、淡々とした表情で会見に臨んだ。

 「最後は思うような打撃ができなかった。(チーム成績も)悔しいシーズンでしたね」

 前半戦は、その打撃でチームの快進撃を支えた。それでも自身の夏場を過ぎての不振に呼応するかのように、チームは失速。一切の弁明をせず静かに語る姿に、主砲を務めて来た誇りがにじんだ。

 昨季途中に痛めた右肩の影響で、昨オフはスロー調整を余儀なくされたが、現在は「完治です」とした新井。「このオフは、しっかりバットを振れています。去年と比べても順調です」と話す。

 そして、深めた自信から大きな目標を掲げた。それが、打撃主要部門でキャリアハイを記録することだ。「1年1年、そこを目標にと思っているので」と力強く宣言した。

 今季は打率・267、15本塁打、70打点。この3部門を見ても、自己最高は打率・311(10年)、43本塁打(05年)、112打点(10年)だ。これを超えるとなれば、かなりハイレベルな数字をたたき出すことになる。

 来年1月30日には37歳となる。ベテランと呼ばれる域に達しているが「年齢は関係ない?そうですね」。今オフは本塁打王を獲得した05年の打撃フォームを分析するなど、向上心は衰えていない。

 自身を高みへ導く目的は、チームの勝利。新外国人・ゴメスとの競争を制し、最高の数字を残した先に、歓喜の瞬間があるからだ。

 「『優勝争い』は飽きたので、優勝できるように頑張りたい」。大幅減俸やV逸の悔しさを晴らす方法は、ただ1つ。自身のバットで9年ぶりの頂点に導くこと。新井はそれを知っている。

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