ドラ3陽川が宣戦布告…マエケン撃つ!

 阪神は17日、大阪市内のホテルでドラフト3位指名の陽川尚将内野手(22)=東農大=と入団交渉を行い、契約金5500万円、年俸840万円(金額はいずれも推定)で合意した。背番号は未定。プロで対戦したい投手には、広島・前田健を指名。次代の主軸を期待される男が、猛虎の天敵へ、度胸満点の宣戦布告となった。

 プロで対戦したい投手は‐。その問いに、陽川は一瞬のためらいもなく、よどみのない口調で答えた。「広島の前田投手と対戦したいですね」。その理由も、打撃同様に豪快だ。「日本球界を代表する投手ですから」

 「マエケン」の名前には、虎党も表情を曇らせる。それほど、今季の阪神は抑えられてきた。シーズンは6試合で1勝4敗、対戦防御率0・40。CSファーストS第1戦でも敗戦を喫し、まさに虎の天敵だ。

 だからこそ倒さなければならない。「打てばチームも盛り上がり、波に乗れる。(自分が)打てればいいですね」と言い切った。

 これまでチームの主軸を担ってきた男だからこそ、エースを打つ重みを知る。「(大学でも)各チームにエースがいる。その投手には負けたくないと思ってきた」という。

 ビッグマウスというわけではない。今の実力が前田健に及ばないことも分かっている。それでも「レベルの高い投手(との対戦)の方が、気持ち的にもやる気が出る」。自身に高い目標を課し、それを乗り越えることで実力をつけてきた。そういう男だ。

 プロでの目標もスケールがでかい。「球界を代表する選手になりたい。チャンスでの勝負強さで、試合の流れを変える選手になりたい」常にファンの期待に応え続ける打者。それが理想像だ。

 先日の東都2部・3部入れ替え戦でも、2試合ともに決勝打を放ち東農大の2部残留に貢献した。中尾スカウトも「本当に勝負強い。持っているよね」と期待を込めていた。

 「1日でも早く大舞台でプレーし、活躍できるように頑張りたい」。聖地・甲子園が、すべての虎党が、その日を待ち望んでいる。

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