猛虎意地見せた!2・5差2位ターン

 「阪神9-6巨人」(17日、甲子園)

 猛虎が意地を見せた。2連敗で迎えた頂上決戦第3ラウンド。試合前、緊急ミーティングで必勝を呼びかけた和田豊監督(50)に応えて見せた。一時のリードも七回に1点差まで迫られるが、その裏、欠場の大和の代役・俊介外野手(25)が貴重な適時打で再び突き放した。首位・巨人とのゲーム差は2・5。逆転圏内のまま後半戦へ向かう。

 強い巨人を止めた。小兵が精いっぱいの力を振り絞って止めた。一塁ベース上で大歓声のシャワーを一身に浴びた俊介。追いすがる宿敵をけ落とす一打で、ヒーローは決まった。負傷した大和の代役。それでも俊介がいなければ間違いなく、Gは止められなかった。

 それほど価値ある3本のヒット。初回、1死から左前打で出塁すると、新井のタイムリーで先制のホームを踏んだ。続く二回2死二、三塁での第2打席は、ここ2戦、追加点が奪えなかった悪い流れを振り払う中前適時打。そして1点差に迫られた七回2死満塁での第5打席が勝負を決めた。

 直球で押してくる笠原に対し、フルスイングで応戦した。「最後も真っすぐで押してくる」と予測したが、逆に鋭いスイングが阿部に変化球という選択を生み出した。5球目、126キロのスライダーを振り抜くと打球は二遊間を破った。「とにかく必死に食らいついた」と勝利を決定づける一打。和田監督も「8点目は助かりました。よく2死からつないでくれた。のどから手が出るほど、欲しい1点だった」と賛辞を惜しまない。

 「今は状態も良いし、良い形でバットを振れている」と2年ぶりの猛打賞を振り返った。昨年、9月29日‐。鳴尾浜で人目をはばからず涙を流していた男が俊介だった。昨季限りで引退した城島氏が、現役最後にヒットを放ったバットを脇に抱え、かれるまで涙を流した。

 プロ入り直後から師と仰いだ大先輩との別れ‐。プロ意識、技術論、すべてをたたき込んだ城島氏が伝えたのは「バットは強く振らんと」。新人時代の思い切りの良さが年を追うごとにかすんでいた。バットを短く持ち、当てるような打撃はスタイルではなかった。

 だからこそ秋季キャンプからバットを長く持ち替え、強く振ることを意識してきた。ルーキー時代の姿を取り戻し、守備・代走要員からレギュラーへの道を切り開いた。「今もジョーさんのバットとミットは家に飾ってます」。3年間で培ったかけがえのない“宝物”が支えだ。

 「チームの勝ちにつながったんで。それが一番です」とお立ち台ではにかんだ背番号68。Gを止めて、前半戦を終えた1勝‐。それはチームにとっても、俊介にとっても、大きな自信になる。

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