西岡「幸せ」感謝の日米通算千安打

 「阪神7-6ヤクルト」(4日、甲子園)

 ファンの大声援が何よりもうれしかった。何度も、何度もスタンドへ向かって阪神・西岡は頭を下げた。マルチ安打で到達した日米通算1000本安打。「米国で活躍せずに帰ってきて…。それも加算して祝福してもらって本当に幸せです」。新天地のファンに喜んでもらいたい‐。その一心で生み出した2安打が、大きな連勝を呼び込む。

 初回、小川が投じた3球目、142キロの直球を痛烈に一、二塁間へはじき返した。「小川くんは良い投手。1番がヒットを打つことで行けるという雰囲気をつくりたかった」。999本目の安打が一挙、6点の火付け役になると、節目の瞬間は4点差に追い上げられた六回だった。

 攻撃開始前に一塁ベンチ前で円陣が組まれ、黒田ヘッドが「ゼロが続いているから1点取れ」と野手を鼓舞した。直後の第4打席。正田の変化球に体勢を崩されながらも左翼線へうまくはじき返した。快足を飛ばして一気に三塁を奪うと、大和の適時二塁打で試合を決定づける7点目のホームを踏んだ。

 1000本目の安打を「うまく体が反応した」と冷静に振り返った背番号7。ブレークを果たした05年、本拠地・千葉マリンでの試合後、必ず一塁側ベンチのスイングルームに向かった。結果が出ようが、出まいが‐。例え疲労困憊(こんぱい)でも、必死にバットを振った。

 照明が落ち、人気がなくなったグラウンドに座り、打席の内容を振り返る。1本の安打よりも1本の凡打に「めっちゃ腹立つ!!」と叫んでいた若き日。あれから9年、節目を迎えてもその姿勢は変わっていない。

 先週の横浜遠征、チームは勝ち越したが「俺が打ってれば何点差で勝ってたんや」と自らへの怒りを口にした。結果とシビアに向き合い、失敗を無駄にせず、1000本のヒットを積み上げてきた。「早く1001本目を打ちたい」と言う西岡にとって、まだまだ通過点にしか過ぎない。

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