金本氏、虎バッサリ「巨人に勝てない」

 デイリースポーツ評論家の金本知憲氏(44)が6日、アドバイザリー契約を結ぶファイテン社主催のトークショーに参加した。大阪市内の会場で、景気のいいアニキ節を期待した約200人を前に、「ジャイアンツには勝てない」と仰天発言。大補強に楽観しがちな猛虎党の風潮に「待った!」を唱える格好で、厳しい見解を披露し、新春のおめでたい空気を吹き払った。

 あえて、オブラートに包まなかった。司会者から阪神の予想順位を問われた金本氏は、胸の内をぶっちゃけた。

 「ジャイアンツには勝てないと思います」

 200人のアニキ党で埋まった会場が「シ~ン」と静まりかえった。

 「すみません、こんなこと言って。ジャイアンツは生え抜きの成長と、補強のバランスが最高にうまく回っている。選手は皆若いし、投打とも計算できる選手が多い。原監督はイメージとは違って、厳しさ、怖さがあると(巨人の)選手からも聞きます。今季も相当、強いと思います」

 岡田彰布氏と猛虎再建を熱く論じた本紙の正月対談では、阪神の順位を「1位から6位まで可能性がある」と語ったが、この日は「すみません。あれはちょっと八方美人でした」と“下方修正”。「評論家として参考にさせてもらいたいので」と、会場に順位予想を逆リクエスト。「願望ではなく、現実を予想してください」と注釈も添え挙手を求めると、「優勝」と予想したのはわずか3人。大半が申し訳なさそうに「Bクラス」に手を挙げた。

 福留、西岡、コンラッド、日高、そして藤浪、北條…近年にない大補強に成功したチームに現場も浮上の手応えを漂わせ、ファンの期待も高まるが、金本氏の見方は厳しい。巨人を倒して優勝!そんな景気のいい予想をすれば、拍手、歓声を浴びるだろう。だが冷静に現実を見なければ、絶対王者に近づくことはできない。そう断言した。

 「キーマンは投手なら能見と岩田。彼らが1年間計算できるようになること。野手では西岡が走れるか、打てるか。タイガースも戦力自体はある。それをどううまく使っていくか。僕は肩のケガでパフォーマンスが落ちて、チームをグイグイ引っ張っていけなかったけど、そういう気持ち、執念をもっと前面に出すべきじゃないか。一生懸命やって、伝わるものがあれば、ファンは負けても納得すると思う」

 再建を願うからこそ、巨人にあって阪神にないものを説いた。今のままでは、巨人に勝てない。現実と向き合えば、光は差し込む。金本氏は、そう伝えたかった。

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