フィリピン副大統領の罷免遠のく 上院が弾劾差し戻し決定
【マニラ共同】フィリピン上院は10日、サラ・ドゥテルテ副大統領(47)を裁く弾劾裁判所を設置した上で、訴追した下院に差し戻すことを決めた。手続きが憲法に違反していないことを確認し、5月の中間選挙で改選された下院が訴追決定を維持することを求めた。弾劾裁判の本格開始が遠のき、サラ氏が罷免される可能性が低くなった。
上院採決では18議員が差し戻しに賛成、5議員が反対した。
ドゥテルテ前大統領の長女であるサラ氏は、マルコス大統領に報復する「殺し屋を雇った」との発言や機密費乱用疑惑を巡り、検察の役割を担う下院に2月に弾劾訴追されていた。
弾劾裁判でサラ氏を罷免するには上院議員の3分の2の賛成が必要。