玄海町核ごみ調査、作業を初公開 最終処分場選定、開始から1年
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は9日、佐賀県玄海町を対象とする処分場選定の文献調査の作業を共同通信に公開した。全国3例目の調査は10日で開始から1年。新たな受け入れ自治体は現れておらず、2年程度を想定する選定の第1段階は折り返しに差しかかった。同町に関する調査の公開は初めて。
東京都港区にある機構事務所の一室。文献調査の担当職員が、玄海町を色分けした地質図を机に広げ、断層の入り方や火山の位置などを確認していた。調査を指揮する機構の兵藤英明技術部部長は「主立ったデータ収集は終わり、読み解く作業を進めている。次の調査に進むかどうか判断していただく情報をしっかり提供したい」と話した。
処分場選定は文献と概要、精密の3段階の調査があり、計約20年かけて建設の適否を確認する。文献調査では断層や火山などに関する地質図や学術論文などのデータを収集、分析する。調査に応じた自治体は最大20億円の交付金を国に申請できる。