乗り物酔い「音」で予防、名大 耳の平衡感覚向上

 1分間特殊な音を聞くだけで乗り物酔いを予防できる可能性があると、名古屋大などの研究チームが15日までに国際医学専門誌に発表した。音による刺激が耳の平衡感覚を向上させるとみられる。

 近年、通勤中の車内でスマートフォンを見るなどデジタル機器の普及や自動運転技術の発達で、乗り物酔いの発生リスクが高まる一方、予防法は服薬などに限られる。チームの加藤昌志教授(環境労働衛生学)は「安全性を慎重に確認し、早期に実用化したい。酔いで苦しむ人の選択肢の一つになれば」と話している。

 実験では、被験者約80人に100ヘルツの低音を一定の音量で1分間聞かせ、直後にブランコ、運転シミュレーター、車のそれぞれに乗ってもらい、酔いの症状について音を聞かなかった場合と比較した。その結果、7~8割が音を聞いた後では体のふらつきが軽減したり、乗車後に吐き気などの自覚症状が緩和したりした。

 音が耳の内部にある「耳石」を刺激し、平衡機能をつかさどる細胞が活性化されたためと考えられるという。

科学最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス