「HKT道連れ」供述、動機焦点 福岡男女刺傷事件1週間

 福岡市の「みずほペイペイドーム」周辺での男女刺傷事件は21日で発生1週間。男性に対する殺人未遂容疑で逮捕された山口直也容疑者(30)は、ドーム隣の商業施設に劇場があるアイドルグループ「HKT48」のファンで、福岡県警はメンバーを狙っていたとみている。事件2日前に包丁を購入するなど計画性もうかがわれ、動機の解明が焦点になる。

 「道連れにしようと思った」。捜査関係者によると、山口容疑者はHKT48メンバーを殺害し、死のうと思ったとの趣旨の供述をしている。HKT48のイベントに月5、6回通う常連客だった。

 自宅の家宅捜索では多数のアイドルグッズが見つかり、入れ込みぶりがうかがえる。一方、国産高級車を所有していたが無職で、借金があったという。

 金に困った末の自暴自棄的な事件にも映るが、捜査関係者は「遺書や、困窮と犯行の因果関係を示す証拠は見つかっていない。事件後に逃走し、自ら通報して逮捕されてもいる。本当に道連れにしようとしたのか、証拠による裏付けが必要だ」と慎重な見方を示す。

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