安倍元首相銃撃、無期懲役を求刑 弁護側「最も重くても20年に」
2022年7月に奈良市で参院選の応援演説中に安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件で、殺人などの罪に問われた山上徹也被告の裁判員裁判が18日、奈良地裁で開かれ、検察側は「元首相を衆人環視の中で殺害し、わが国の戦後史に前例をみない犯行だ」として無期懲役を求刑した。
弁護側は、被告の生い立ちが悲惨ともいうべき境遇で犯行動機と直結しているとし「最も重くても懲役20年までにとどめるべきだ」と主張し、結審した。被告は殺人罪の起訴内容を認めており、最大の争点は量刑で、判決は来年1月21日に言い渡される。
被告の母親は旧統一教会に入信し、総額1億円に上る多額の献金をしたことで家庭が困窮したとされる。
検察側は論告で、生い立ちが不遇であったことは否定できないとした一方、善悪を判断できる40歳代の社会人で、情状に大きな影響を与えるべきものではないと主張した。
論告に先立ち、安倍昭恵さんの代理人が「突然の夫の死は衝撃的過ぎて頭が真っ白になった。かなり長い間、夢の中にいるようだった」との昭恵さんの陳述書を読み上げた。
