がんと片目の失明、3時間おきの壮絶な介護を乗り越えた猫 「叶わないかもしれない」と覚悟した19歳の誕生日を迎えて感動
がんの闘病や片目の失明などを乗り越えて、19歳の誕生日を迎えることができた--。そんな喜びをXに投稿したのは、猫のラムちゃんと暮らすぽめ(@pomeponeo)さん。
「直前で『叶わないかもしれない…』と覚悟した、19歳のお誕生日でした。無事に迎えられたことの感謝し、たくましさを見習わなければとも思いました。ラムは私より、ずっと強い子。『立派ですね!素晴らしいですね!』と、毎日声をかけています」
■カップルから譲り受けた小さな命
出会いは、2007年の9月。きっかけは、子猫を保護した知人の知り合いから連絡を受けたことだった。当時、自宅には9匹の猫がいたが、藁にもすがる思いで連絡をくれたことを知り、受け入れを決意。
「若いカップルが車で数時間かけて、ラムちゃんを届けてくれました。彼女さんは名残り惜しそうに、ラムちゃんを胸に抱いていました」
生後2~3ヶ月ほどだったラムちゃんは猫よりも人といることを好み、ひとり遊びが上手な猫に育っていった。
「自分の尻尾を動かし、追いかけていました。これは18歳を過ぎてもやっていた遊びです(笑)」
ラムちゃんは賢く、アラームで起きられない飼い主さんを起こしてくれることもあった。
「ご飯をねだるためではなく、いつも起きる時間に起きてないと、前足でチョイチョイと叩いて起こしてくれました。小柄ですが、声は大きい。10回以上、ラムちゃんアラームに助けられました」
■18歳で判明したリンパ腫と左目の失明
体に異常が現れたのは、2026年3月頃。左の鼻から鼻水が出るようになり、動物病院へ。初めは猫風邪との診断だったが、症状は改善せず、少量の鼻血も見られるようにもなった。
その後、左上のまぶたが腫れ上がったため、動物病院を受診。すると、医師から「リンパ腫の疑いがある」と告げられた。
精密検査の結果、ラムちゃんはリンパ腫であることが判明。飼い主さんは18歳という愛猫の年齢を踏まえ、治療法に悩んだ。
「幸い、抗がん剤の効果が期待できるタイプのがんだったので、悩みに悩んだ末、抗がん剤治療をスタートしました」
週1回、病院で抗がん剤投与し、自宅では飲み薬を服用。体調に変化があるたび通院し、懸命にケアした。
しかし、9回目の抗がん剤治療が終わった頃、思わぬ出来事が起きる。19歳の誕生日を間近に控えたある日、飼い主さんは「ヴォー!」と叫ぶラムちゃんの声で目を覚ました。
「叫びながらよだれを垂らし、グルグル回るというパニック状態でした。その後、一旦落ちついたものの、数十分後にけいれん発作が起きました」
飼い主さんは、すぐに動物病院へ。ラムちゃんは一命を取り留めたものの、左目の視力を失った。
「もともとリンパ腫が上まぶたにあったことや、数日間も高熱が続いて意識がなく、目が開いたままになっていたことなどが重なりました。毎日3時間おきの目薬や眼軟膏でのケアも空しく、発作から約4日後、左目は白くなり機能を失いました」
左目の手術は不可能。眼球が外に落ちるか、溶け出てくるのを待つことしかできなかった。
「3時間おきにしていた“守るためのケア”が、溶け出てくる膿を拭うケアに変わりました。失明はショックでしたが、何をしてあげたらいいかと考えるようになりました。症状が落ち着いた今、左目を見ると少し切ない気持ちになりますが、本人は気にしてない様子なので、私も前を向いています」
■がんや失明を乗り越えて迎えた19歳の誕生日
がんや失明を乗り越え、19歳の誕生日を迎えることができたラムちゃん。けいれん発作後は下半身を動かすことが難しくなっていたが、リハビリを経て、足や尻尾は動かせるようになった。
「最近では、転びながらも1.5メートルほど歩くことができました」
自宅での点滴は欠かせないものの、食欲はあり、睡眠もしっかり取れている。発熱時に動物病院を受診した時には、診察台の上で獣医師に怒る元気も見せてくれたそうだ。
「寝ている時間が多いので、体が固まらないように気を配っています。指の使い方を忘れないように肉球マッサージも行っています。毛並みのケアと血行促進のため、ブラッシングも欠かせません」
こだわりが強く、「ここに来て!」や「ここでおしりをトントンして!」という要求が多いとラムちゃん。対応を間違えると「ビャー!」と叱られてしまうそうだが、そんなやりとりも飼い主さんにとっては宝物だ。
「新しいバッグを買うと、必ずラムちゃんに検品が入ります(笑)特にカルディの『猫の日バッグ』は入念なチェックが入るので、使う前に検品をお願いしています」
19年という長い歳月を共にしてきたラムちゃんと飼い主さんの間には、言葉がなくても通じ合える絆がある。相思相愛な日々が、この先も長く続いてほしい。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)
