「帰宅は何時になるの?」 残業中に繰り返し届く妻のメッセージ 憤る夫は妻が置かれた切実な立場が見えていなかった【漫画】

夫婦間のモヤモヤとした不満は、日ごろの何気ない行動の積み重ねが原因かもしれません。漫画家・あさのゆきこさんの作品『お母さんの正体 ハルカママの言えない本音』の抜粋エピソード『何時に帰るの正体』では、メッセージでのやり取りに隠された旦那と妻のそれぞれの事情が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約5700のいいねを集めました。

ある日、夫は残業となりました。近ごろ妻から早く帰って来いという圧力が強く、連絡するのが億劫ながら「今日も残業です」とメッセージを送ります。すると妻から「何時になるの?」と返信がありましたが、残業が終わる時間ははっきりとは分かりませんでした。

そこで夫は、妻に申し訳ない気持ちを送ったり、「もうしばらくかかりそう」と送ったりしますが、妻からは「それで帰宅は何時になるの?」としか返事が来ません。旦那は、仕事がいつ終わるのか「こっちが聞きたいわ…」「なんでここまで細かい時間を聞かれなきゃいけないんだよ~!」と困り果てていました。

なぜ妻がここまで時間にこだわるのか、それは数カ月前にさかのぼります。その日、夫から「今日は定時で帰れそう」と妻にメッセージが届きました。妻は、夫の帰宅時間である19時15分ごろにあわせて夕飯を準備します。しかし、夫は20時になっても一向に帰ってくる気配がありません。

準備した食事はとっくに冷えてしまい、幼稚園児の娘は空腹を越えて泣いてしまいました。耐えかねた妻は、泣きじゃくる娘と2人で先にさびしく食事を取ることにします。すると、突然旦那が帰宅し「ごめんごめん、千円カットとコンビニで酒買ってた」と告げたのです。何の連絡も寄こさず悪そびれもしない旦那の様子に、妻は唖然としてしまいました。

別のある日にも、旦那は「今〇〇駅です」と妻にメッセージを送ります。「それなら10分ぐらいで帰って来るね」と考えた妻は、娘と旦那、一緒にお風呂に入ってもらおうと考えていました。しかし、それから40分経っても一向に夫は帰ってきません。

パパとのお風呂を楽しみにしていた娘は、40分無駄な時間を待たされぐずり出してしまいます。娘を寝かしつけたあとの自由時間を確保したい妻は、旦那に「なんで正確な帰宅時間を教えてくれないの?」と苛立っていました。

そこに旦那が帰ってきて、「ごめん乗り継ぎが悪くて…お詫びのケーキ」と行列のできる店のケーキを買ってきたのです。夫は妻の表情を見て「どうやら怒ってないみたいだ、これが俺のお詫びの気持ちだよ」と考えます。実をいうと、妻は「このケーキを買う10分でさ…もういいや…」と、指摘することに諦めの境地に入っていたのでした。

読者からは「ホントこれ夫に伝わらなくて困る!」や「なんで妻の予定を旦那に伝えないんだろう」など、男女双方の意見があがっています。そこで、作者のあさのゆきこさんに話を聞きました。

■「今から出る」「早めに帰れそう」は的外れ、曖昧に教えられても困る!

-同作を描いたきっかけについて教えてください

実際の当時の私の家で繰り広げられていた攻防を、漫画にしようと思ったのがきっかけです。

-作中で、とくに伝えたかった想いはどの部分でしょうか?

パートナーに帰宅時間をはっきり言わない方に物申したい、という部分です。「何時になるの?」って聞いてるので「今から出る」「早めに帰れそう」は的外れなんです。

曖昧に教えられても困ってしまうので、詳細がわからない場合は「何時になるかまだ分からない」と答えてほしいです。我が家ではそういういざこざはなくなってきていますが、思い出すと今でも新鮮に怒ってしまいそうです。

-作品のコメントには、多くの意見が寄せられていました。お互いのモヤモヤを解決するためには、どういったことが大切だと思いますか?

自分の気持ちを簡潔に伝えあうのが一番だと思います。できる限り、婉曲表現やあおりは使わずです。ただ怒るだけではなく、「帰宅時間を曖昧にしか言えないのはなぜか」「なぜそれでは困るのか」を言語化すればよいのではないでしょうか。

同作「お母さんの正体」では、同じような子どものいる夫婦のすれ違いのお話が何話も収録されているので、是非読んでみてくださいませ。

(海川 まこと/漫画収集家)

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