夜職歴30年超!52歳が語る波乱万丈なナイトワークと私生活 結婚も2度したけれど…【本人に取材】
キャバクラやスナックのキャストは、期間限定の商売といわれることが多いです。長期継続が難しい理由は、将来性のなさやストレス過多、体の負担などで心身共に大きなダメージを受けるからです。多くのキャストが20代~30代半ばくらいまでにお店を卒業し、別の道を歩むのが一般的でしょう。
そんな中、生涯ナイトワーカーとして働く人も存在します。しかしその全員が華々しいキャリアを歩んでいるとは限りません。この手のタイプの人は、パッと花開くことなく、かといって仕事をやめるわけでもない、漂うようにひっそり生きているケースが多いです。
苦笑しながら「もう“終活”に差し掛かっているんじゃないかな」と語るのは夜職歴約30年のユカコさん(52歳・仮名)です(以下『』内、ユカコさん談)。
■キャバ嬢から結婚、雇われママへの転身
『高校卒業後、お金がほしくてスナックでバイトしていたら“もっと稼げる仕事がある”と、街でキャバクラのスカウトを受けたの。それで21歳の時に思い切ってキャバ嬢デビューをし、約7年間働きました』
家出同然で地元を飛び出したユカコさんは、生活費を稼ぐのに必死でした。キャバクラに入店してからは収入が一気に跳ね上がり、常にお店のナンバー上位をキープしていたそう。店内はキャスト同士のバトルも頻発し、とても刺激的な毎日を送っていたと言います。
『実はナンバー1になった回数は少なく、ずっとナンバー2から5をウロウロしてたタイプ(笑)でもずっと成績を保っているから、お店からは大事にされていましたよ。絵に描いたような女同士のドロドロバトルもあったけれど、私も若かったのでそれさえも楽しんでいました』
20代後半に差し掛かった時、当時付き合っていたお客さんからプロポーズを受けます。仕事をやめるか否かで悩んでいた時だったため、即ゴールインするもののパートナーのモラハラが発覚し、わずか1年で離婚。逃げるようにして再び歓楽街に出戻りをしました。
『離婚後は前と別のお店で働き、30歳過ぎまで所属していました。この頃もお客さんと付き合っていて、プロポーズをされました。でも前回の苦い経験もありますし、“仕事はやめたくない”と伝えました。何かが起きた時逃げられる術を持っておきたかったので』
共働きを条件に、元お客さんのAさんとゴールイン。結婚を機に店を卒業し、ユカコさんはクラブへ移籍します。キャバクラとは勝手が違うことに最初は慣れず苦戦続きでしたが、次第にホステスとして成長を果たします。
クラブ勤務が5年を超えると、彼女は30代後半になっていました。身体は元気でしたが、やはり若い頃に比べると体力の消耗が気になりはじめます。二日酔いで苦しむ妻の姿を見たAさんは、「僕がお金を出資するから、自分で店を開けば」と提案。ママとしてのポジションに立てば、“今より少しラクになるだろう”という旦那さんなりの気遣いでしょう。
夫の言葉に救われ、雇われママとなったユカコさんはミニクラブを都内某所でオープンさせます。しかし現実はそう甘くありません。うまくいったのは最初の2年間のみで、気づくと店内は常に閑古鳥が鳴く状態へ陥っていました。
■現在はスナックでアルバイトをしながら“終活”気分
『ママの経験もないのに店をオープンさせたのが間違いでした。まだ今ほどの不況でもなかったから、元夫も私も“イケる”って思っちゃってましたね。でも無理だった。私自身若いコへの指導力もなく、集客でも手一杯であの頃は本当に辛かったです』
“元夫”と彼女は言いましたがミニクラブの件で夫婦仲が悪化し、最終的には離婚。顔を合わせれば会話は仕事のことばかりで、売り上げのためにお客さんに時間を割き、2人で過ごす機会が激減したのも決別に至った理由でした。
再び1人になったユカコさんはしばらく放心し、鬱病の診断が下ります。それでも、生きるために働かねばなりませんから家から近いスナックに応募し、現在も同じ場所で週3~4日勤務する毎日です。
『時給は激安で1300円。キャバ、クラブ時代に比べると有り得ない金額ですよ。労働時間も20時からお客さんが残っていたら深夜3時~4時までとかなりキツイです。でも、もうキャバクラって年齢でもないですしクラブに戻ってバリバリできる気もしないです。幸いまだお客さんを僅かながら抱えているので、その人たちに助けられています』
特にやりたいことも見つからず、再度自分の店を持つ希望もありません。家と職場、そして病院の往復で1カ月が終わり「もう気分は人生の終わり際って感じ」と少し寂し気な口調で語ります。
『今の店はママがすごく若くて、まだ30代後半です。年下に雇われる自分って……と最初は思いましたけど、家から近かったのがココしかなかったから妥協(笑)お客さんの年齢層は高いから、私の需要も多少なりともありますし。
毎日体調が悪いし先も長くないだろうから、夜のお仕事人生の“終活”に差し掛かっています。もうずっとこのスナックで生きて、そのまま死ぬのかなって頭をよぎることが増えましたね』
このままひっそりと仕事を続けて、のんびりと暮らすのがユカコさんの理想です。華やかな世界の中で、ちょっぴり儚い夢を長年見続けてきた彼女。厳しい環境で生き抜いてきたことを考えると、最後に安らぎを求めるのは至って普通のことなのかもしれません。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。
