【メンタル不調】休職者が出た企業の約6社に1社「カバーをする社員も負荷増加で連鎖休職」
新生活の環境変化や五月病リスクが重なるこの時期は、メンタルヘルス不調が特に顕在化しやすいといいます。ビジネス製品・サービスのオンライン比較サービス『ミツモア』を運営する株式会社ミツモア(東京都中央区)が実施した「メンタル不調による休職が職場に与える影響」についての調査によると、メンタル不調で休職者が出た企業の約8割で業務に支障が生じ、カバー社員の1割強が自身もメンタル不調で休職する"連鎖"が起きていることがわかりました。
調査は、メンタル不調による休職者が過去3年以内にいた企業の経営者・人事労務担当者・管理職550人を対象として、2026年4月にインターネットで実施されました。
まず、メンタル不調で休職者が出た企業に「業務遂行への影響」を聞いたところ、78.4%が何らかの支障があったと回答しました。
「業務遂行への影響があった」とした企業に具体的な内容を聞いたところ、「社内の事務手続きや管理・調整業務が滞った」(38.9%)が最多となったほか、「業務の受け入れや営業活動を制限・縮小せざるを得なかった」(27.8%)といった回答も挙げられました。
こうした事態は、売上やサービス提供に直接的なダメージを与え、人が足りないことで事業が回らなくなる「人手不足」と同じ構図となっています。
また、「休職者の業務への対応方法」としては、「他の従業員で分担した」(71.5%)が最多となった一方で、代替人員の採用を検討した企業の約4割が「採用しようとしたが、見つからなかった」(38.2%)と答えており、「離職でも採用難でもないのに人が足りない、しかもその穴を埋める人材も見つからない」という二重の困難に陥っている実態が明らかになりました。
続けて、「休職者の業務をカバーした従業員への影響」を聞いたところ、「残業・休日出勤が増えた」(41.6%)や「モチベーションの低下」(33.6%)が上位に挙がったほか、約6社に1社で「カバーしていた社員自身もメンタル不調で休職」(16.9%)という"連鎖"が発生していることが判明。
また、「業務全体の負荷」についても、「大幅に増えた」(19.3%)と「やや増えた」(56.5%)を合わせると75.8%が負荷増を実感しており、一人が抜けた穴を残された社員が無理をして埋め続ける組織体制に構造的な脆さがあり、その脆さが連鎖的な不調を生んでいることがわかります。
こうした離職・採用難に次ぐ「第三の人手不足」への危機感を反映するように、同社におけるストレスチェックシステムの依頼件数は、直近1年間で1.75倍に急増しているといいます。
業種別に見ると、慢性的な人手不足が指摘される「建設業」(2.06倍)と「運輸業」(1.95倍)で特に需要が突出。もともと人材確保が難しいこれらの業種では、既存の人手不足に加え、メンタル不調による"見えない欠員"が重なることで、現場の負荷がさらに深刻化している可能性がうかがえます。
また、メンタルヘルス対策としての「ストレスチェックの実施率」については、79.8%の企業が「実施している」と回答。
なお、厚生労働省によると、2025年5月に成立した改正労働安全衛生法により、従業員50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化される方向で制度整備が進んでいます。(施行は最長2028年5月まで)
しかし、この義務化の動きを「知らなかった」と回答した企業が23.5%にのぼり、ストレスチェックという従業員の異変に"気づく仕組み"の普及は着実に進んでいる一方で、職場環境の改善、業務負荷の分散、復職支援の体制づくりという"出口"の部分がまだ十分に整っていない現状が示唆されました。
■「第三の人手不足」を防ぐために--ストレスチェックに加えて企業が取り組むべき3つの対策
このような調査結果を踏まえて、同社は以下のような企業が取り組むべき3つの対策を提案しています。
▽福利厚生の充実
従業員の心身の健康を支える福利厚生は、メンタル不調の予防だけでなく、離職防止やエンゲージメント向上にも寄与します。食事補助、運動支援、リフレッシュ休暇など、日常的に従業員の健康を底上げする仕組みが重要です。
▽従業員満足度の可視化
ストレスチェックが"不調の早期発見"を目的とするのに対し、従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)は"不調の予防"に焦点を当てたツールです。職場環境の課題を定期的に可視化し、改善アクションにつなげることで、メンタル不調の発生自体を減らすことが期待できます。
▽離職防止・定着率向上の取り組み
悪循環の出口の一つが「退職」です。本調査でも、カバー社員の14.9%が実際に退職しています。1on1ミーティングの導入やキャリア支援、柔軟な働き方の整備など、従業員が「この会社で働き続けたい」と思える環境づくりが、連鎖的な離脱を食い止める鍵になります。
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【出典】
▽株式会社ミツモア
