30年前のネックレスが150万円に高騰→売却! 思わぬ臨時収入に喜ぶも…想定外の問題が浮上 “税金は大丈夫なのか?”【解説】

金価格の高騰が続き、買った覚えも薄れていたアクセサリーや地金を売却する人が増えています。Aさんもそのひとりで、80代の父親が30年以上前に購入したというネックレスを試しに査定したところ、なんと150万円で売却できたのです。思わぬ臨時収入に喜んでいたAさんですが、後日友人から「それ、確定申告が必要だよ」と言われて不安になりました。

父親に当時の購入価格を確認しても「覚えていない」と言われ、取得単価もわからない状態です。これでは税金の計算ができるのか疑問で、もし確定申告をしなかった場合にどのような問題が起きるのかも気がかりです。

そこで、金を売却した場合の確定申告について、ファイナンシャルプランナーの橋本ひとみさんに話を聞きました。

■取得単価が分からなくても、申告は必要

ー金を売却した場合、どのような税金がかかるのですか

個人が金などを売却して利益が出た場合、営利目的の継続取引じゃない場合は「譲渡所得」として所得税・住民税の対象となります。ただし生活用品などのように少額の資産には税金がかからないケースがあります。

具体的には1個(または1組)の価額が30万円を超えるものは生活用動産に含めません。金製品は資産価値が高く、課税対象となるケースが多いです。

譲渡所得の計算方法は「売却額-取得費-売却時の諸費用」です。ただし、譲渡所得には年間50万円の特別控除があり、利益が50万円以下であれば税金は発生しません。Aさんのように150万円で売却した場合、取得費によっては50万円を超える利益となるため、確定申告の対象になる可能性があります。

また、金だけでなく他の譲渡所得があって合計で50万円を超える場合にも申告が必要になるので注意しましょう。

ー取得単価がわからないときは、どのように計算すればよいのでしょうか

購入時の価格が分からない場合でも、取得費を「ゼロ」として計算するわけではありません。その際に利用できるのが「概算取得費」で、譲渡額の5%を取得費とみなして計算されます。

たとえば150万円で売却した場合、取得費は「150万円×5%=7万5000円」とみなされます。また、親が購入した資産を譲り受けた場合は「親の取得費を引き継ぐ」のが原則ですが、今回のように金額が分からないときはやはり概算取得費を使うケースが一般的です。

「取得費が分からないから申告しなくてよい」ということにはなりませんので、この点は注意が必要です。

ー確定申告をしなかった場合、どのようなトラブルが起きるのでしょうか

このケースのように、古くに購入したアクセサリーを売却した場合でも、譲渡所得の控除を超えた分に関しては確定申告が必要です。「昔買ったものだから税務署には分からない」と考えてしまう方もいますが、金の買取では本人確認と取引記録の保存が義務づけられており、売却した時点で情報は業者に残ります。

税務署は金の売却益の無申告が多いことを把握しているため、買取業者に対して定期的に調査を行います。その際に売却者の情報が確認され、申告がされていないと、後日申告漏れとして指摘される可能性があるのです。

申告をしていなかった場合には、無申告加算税や延滞税が課税されることもあります。特に、取得単価がわからないケースでは「どう計算してよいか分からない」と申告をためらう方がいるのですが、それでも申告義務がなくなるわけではありません。

判断が難しい場合は税務署に相談すれば、必要な手続きや書類について案内してもらえます。売却益が出たときは、必ず早めに相談し、適切に申告することをおすすめします。

◆橋本ひとみ(はしもと・ひとみ)

銀行勤務12年を経て、現在は複数企業の経理代行をおこなう 。法人営業や富裕層向け資産運用コンサルティングの経験に加え、ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士の資格を持つ。

(まいどなニュース特約・八幡 康二)

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