タイヤメーカーの特徴、ボディタイプ別の選び方のポイントは?【整備士が解説】

車のタイヤは国内外問わず様々なメーカーから販売されています。価格帯も性能もさまざまで、どれを選べば良いか分からないのが正直なところでしょう。

本記事では、現役の整備士がおすすめするタイヤメーカーやそれらの特徴、車に合ったタイヤ選びのポイントなどをわかりやすく解説します。

■タイヤの種類

一般的に流通しているタイヤを分けると、大まかに以下の3つの種類があります。

・ノーマルタイヤ

・スタッドレスタイヤ

・オールシーズンタイヤ

それぞれの概要を解説します。

▽ノーマルタイヤとは

ノーマルタイヤは「サマータイヤ」「夏タイヤ」などとも呼ばれ、もっとも身近なタイヤです。一般的な舗装路を走行することを想定されたタイヤで、基本的に新車に装着されているタイヤはノーマルタイヤです。

排水性も考慮した開発がされており、雨の日にもっとも安定した走行が可能なのはノーマルタイヤです。

▽スタッドレスタイヤとは

スタッドレスタイヤは「冬タイヤ」「スノータイヤ」「ウィンタータイヤ」などとも呼ばれます。その名のとおり冬に使用されることを想定されたタイヤです。

サマータイヤとは異なり、雪道や凍結路でも優れたグリップ性能を発揮でき、タイヤのゴムが柔らかく溝が深いのが特徴です。

雪道や凍結路の走行性能を重視した反面、夏場の性能はサマータイヤに劣り、特に雨の日は滑りやすくなるデメリットがあるので注意が必要です。

▽オールシーズンタイヤとは

オールシーズンタイヤは、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの利点を併せ持ったタイヤです。冬以外のシーズンはノーマルタイヤとしての性能を発揮し、冬はスタッドレスタイヤまでの性能はないものの、雪道走行を想定した性能を有します。

ただし、スタッドレスタイヤと比較するとその性能は大きく劣るので、積雪地での使用に際して過信しすぎるのは禁物です。

■おすすめのタイヤメーカー4選

タイヤメーカーは国内外で非常に多くのブランドがひしめき合っています。その中からおすすめのタイヤメーカーを4つ+αご紹介します。

▽ブリヂストン(BRIDGESTONE)

言わずと知れたブリヂストンは、世界のトップシェアを誇る日本ブランドのタイヤメーカーで、世界三大タイヤメーカーのひとつです。

ハイグリップタイヤから、エコタイヤまでどのタイヤも高い評価を得ているのはこれまで培われてきた信頼と安全の証です。スタッドレスタイヤは北海道での装着率No.1が謳い文句です。同クラスの他メーカータイヤと比較して価格が高い傾向にありますが、それこそ性能への自信の表れだと言えるでしょう。

「セイバーリング(SEIBERLNG)」や「デイトン(DAYTON)」というタイヤメーカーは、ブリヂストングループが展開しています。

▽ダンロップ(DUNLOP)

国内で身近なダンロップはイギリス発祥のブランドで、日本では住友ゴム工業株式会社が事業運営しています。世界で初めて空気入りのタイヤを実用化した、歴史あるタイヤメーカーです。

一部のタイヤには、ダンロップの独自技術であるタイヤの内側に特殊吸音スポンジを搭載しており、ロードノイズを低減する効果があります。住友ゴムはファルケン(FALKEN)というタイヤブランドも展開しています。

▽ヨコハマタイヤ(YOKOHAMA)

ヨコハマタイヤは日本ブランドのタイヤメーカーで、いまや乗用車では当たり前となっているチューブレスタイヤを日本で初めて発売したメーカーです。雨の日にも安定した性能を発揮できるタイヤに定評があります。

また、特徴として業界内でもいち早くタイヤの転がり抵抗(省燃費性能)に着目したことから、タイヤによる燃費の向上やロングライフ性能に定評があります。

▽トーヨータイヤ(TOYOTYRES)

トーヨータイヤは日本ブランドのタイヤメーカーです。他の国産メーカーの同クラスのタイヤと比較して、価格が安い傾向にあるのが特徴です。

スタッドレスタイヤのゴムにはクルミの殻を配合することでアスファルトを傷つけることなく、グリップ力を発揮します。2017年にはエアレスタイヤと呼ばれる空気の充填が不要なタイヤの技術を発表、国内メーカーの先駆けとして常識にとらわれないチャレンジが注目を集めています。「NITTO(ニットー)」ブランドはトーヨータイヤが展開しています。

▽その他のタイヤメーカー

おすすめでご紹介したタイヤメーカー以外でも、自動車メーカーが新車装着で採用するなど、市場で主流のタイヤメーカーはたくさんあります。

十分におすすめできるタイヤメーカーの一部を、メーカー名と簡単な特徴について紹介します。

・グッドイヤー(GOOD YEAR)…アメリカのメーカー。世界三大タイヤメーカーのひとつ

・ミシュラン(MICHELIN)…フランス発の多国籍メーカー。世界三大タイヤメーカーのひとつ

・ハンコック(Hankook)…韓国のメーカー。世界シェア第7位で勢いのあるアジアンタイヤメーカー

・ナンカン(NANKANG)…台湾のメーカー。コスパに優れるアジアンタイヤの代表格

・ピレリ(PIRELLI)…イタリアのメーカー。量販クラスのタイヤでもサイドウォールの剛性が高いのが特徴

・コンチネンタル(Continental)…ドイツのメーカー。欧州メーカーの1/3が新車装着している高い信頼性を誇る

ここで紹介したタイヤメーカーは、いずれも十分なパフォーマンスと安全性を誇ります。

■タイヤ選びのポイント

タイヤはあまりにも多くのメーカーと種類があるので、どれを選べば良いのか判断に迷ってしまうことと思います。

最終的には価格と好みのブランドが決め手になると思いますが、現役の自動車整備士の目線から、タイヤを選ぶときのポイントをまとめました。

▽ノーマルタイヤはウエット性能を要チェック

車はタイヤ1本につきハガキ1枚分の接地面積で支えられています。万が一のときの操舵性や安心感は非常に重要で、特にスリップのリスクが高まる雨の日のタイヤ性能は重要視したい項目のひとつです。

タイヤにはラベリング制度により性能評価が表示されたものがあります。ウェットグリップ性能は4段階で評価されており、「a」評価がもっとも優れた評価です。わたし自身も家族の車のタイヤ選びをする際には、まずこのウェット性能の評価を最重要視しています。安心安全の観点から、ウェット性能の優れたタイヤ選びをおすすめします。

(※ウェット性能は濡れた路面でのタイヤの制動時のグリップ力を指します)

▽スタッドレスタイヤ選びのポイント

スタッドレスタイヤを使う上でもっとも重要なポイントは、ゴムの柔らかさと溝の深さです。(いわゆるタイヤの鮮度)

スタッドレスタイヤは、積雪時や凍結路を走行するときに十分な性能が発揮できなければ何の意味もありません。ただ、スタッドレスタイヤはノーマルタイヤと比較すると価格が高い傾向にあるため、家計の負担を考えると頻繁には買い替えしにくいと感じる人もいるでしょう。

そこでスタッドレスタイヤを選ぶとき、以下のような2つの考え方があります。

・価格は高いが寿命も長く、性能も安心の一流のタイヤメーカーのスタッドレスタイヤを数年間使用する:一般的な購入パターン。悩んだ時はこちらを選択

・価格が安くメジャーなタイヤメーカーではなく、性能面や寿命はある程度レベルのスタッドレスタイヤをシーズンごとに買い換える:一部の年間走行距離が多いドライバーに好まれる選び方

どちらがご自身の考えや使用環境に合ったものかを考慮してタイヤ選びをしましょう。

▽オールシーズンタイヤの購入に適したパターン

オールシーズンタイヤは「シーズンごとにスタッドレスタイヤに履き替えるのは煩わしいが、シーズンを通してたまにある万が一の積雪に備えておきたい…」というようなライトユーザーにおすすめのタイヤです。

オールシーズンタイヤは決して万能なタイヤではありません。夏のドライ路面と冬の積雪・凍結路の相反する環境をどちらも高い次元で走破することは難しいのが実情です。頻繁な雪道走行が想定される場合には、スタッドレスタイヤを選択しましょう。

▽スポーツタイヤは減りが早いので注意

ノーマルタイヤの中でも、ドライ路面での高いグリップ力を誇るスポーツタイヤは、一般的な売れ筋タイヤと比較して圧倒的なグリップ力で車の走行性能を最大限発揮できます。

一方で高いグリップ力を得るにはある程度、寿命を犠牲にしなければいけません。グリップ力の高さはタイヤの根本性能として非常に魅力的な部分ですが、価格が高くなる傾向にあり、なおかつ摩耗が早いので、タイヤ交換のスパンが短くなることは覚悟しておきましょう。

■ボディタイプ別のタイヤ選びのコツ

タイヤのブランドによっては、ボディタイプに合った専用のものが展開されているものもあります。ボディタイプ別にタイヤを選ぶときのコツを解説します。

▽ミニバンには専用タイヤがおすすめ

全高の高いミニバンは重心が高いことでカーブを曲がるときにロールしやすく、ふらつきやすいです。また、重量もあるモデルが多く、そういった車の特徴からタイヤの偏摩耗が発生しやすいです。

ミニバン専用タイヤは、こうしたミニバンのデメリット部分を補うタイヤ性能を有しており、同ブランドのタイヤでもミニバン専用品が別にラインナップされていることがあります。(例:ヨコハマのブルーアース ブランドには 「Blue Earth Es」と「Blue Earth-RV(ミニバン専用)」がある)

ミニバン専用タイヤは従来のタイヤと比較し、溝のパターンを見直すことで操舵安定性の向上や、剛性を高めることによる偏摩耗対策がおこなわれています。性能が高まることから価格が高くなるデメリットがありますが、車に合ったタイヤ選びの観点からミニバンには、ミニバン専用タイヤをおすすめします。

▽SUVには使用環境に応じてミニバン用でもOK

SUVはミニバンと同じく重心が高いことから、デメリットが被る部分があります。そのため、ミニバン専用タイヤはSUV向けとして併用して展開されているものもあります。SUVにお乗りのオーナーさんでも、タイヤを選ぶときにミニバン用タイヤを選ぶことはベストな選択肢のひとつと言えます。

一方で、本格的な悪路の走行を想定したSUV専用タイヤ(オフロードタイヤ)もありますがその分、普段街中を走行するときには、ロードノイズの大きさや乗り心地の悪さといったデメリットが目立つので注意が必要です。

ゴツゴツした見た目が好きで、あえてオフロードも走行可能なSUV専用タイヤを選ぶオーナーもいますが、特殊な使い方をする機会もなく日常使いと快適性を優先する場合は、SUV向けのコンフォートタイヤや、ミニバン専用タイヤを選ぶことをおすすめします。

▽軽自動車だからこそ高性能なタイヤがおすすめ

軽自動車を選ぶオーナーさんの中には、維持費が乗用車と比較して安いことが魅力という方も少なくありません。しかし、タイヤ選びは妥協してほしくありません。

軽自動車はそもそものタイヤが細く、最近流行りのトールワゴン系のボディ形状も相まって、車としての走行性能や安定性は決して高いものとは言えません。だからこそ、万が一のときにタイヤ性能の違いは大きく影響してきます。

たとえばブリヂストンであればプレミアムブランドの「REGNO(レグノ)」に軽自動車専用の「GR-Leggera」を展開しています。ヨコハマタイヤのラグジュアリーコンフォートブランドの「ADVAN dB(アドバン デシベル)」も軽自動車用サイズを展開しています。

安さをウリにした軽自動車サイズのタイヤもたくさんある中で、快適性も向上しタイヤとしての性能が高いこれら高性能タイヤもぜひ、前向きにご検討いただきたいです。

▽セダン等の高級車には高性能なコンフォートタイヤがおすすめ

欧州各自動車メーカーのセダンは、高性能・高価格帯の車が中心です。国内自動車メーカーではセダンのラインナップは激減しているものの、高価格帯の車がラインナップの中心です。

高価格帯のセダンは静粛性や運動(走行)性能がウリの車も多く、これらのパフォーマンスを十分に発揮するためには、タイヤ性能も大きなウエイトを占めています。分かりやすいところだとわたし自身も経験がありますが、タイヤひとつ変わるだけで今まで気にならなかったロードノイズが煩わしくなり、気になって仕方がなくなることもあります。

高級車、高性能な車にはできる限りそれに見合った高価格帯の高性能なコンフォートタイヤを装着するようにしましょう。

■整備士のまとめ

タイヤの性能の良し悪しは、ある程度その販売価格に連動しています。決して安くない消耗品なので、なるべく安く抑えたいところですが、安全に直結するタイヤはできる限り妥協せずにお選びいただきたいです。

特にノーマルタイヤは省燃費性能はもちろんのこと、ウェット性能にも気を配ったタイヤ選びがおすすめです。「詳しいことは全然分からない」「安心なものであれば何でもいい」…など、タイヤ選びに迷ったときは国内メーカーのタイヤか、世界三大メーカーであるグッドイヤーやミシュラン製を選んでおけば間違いないでしょう。

(まいどなニュース/norico)

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