住んでいる地域で「クマなどの不安を感じる」約4割 不動産価値が下がると思う人も

クマの出没が全国的に相次いでいます。株式会社AlbaLink(東京都江東区)が運営する不動産情報メディア『空き家買取隊』が実施した「野生動物被害が住まい選びに与える影響」に関する調査によると、約4割が「現在、住んでいる地域でクマなど野生動物被害の不安を感じる」と回答しました。では、野生動物被害が多い地域の不動産価値が下がると思う人はどのくらいいるのでしょうか。

調査は、全国の10~60代以上の男女500人を対象として、2025年11月にインターネットで実施されました。

その結果、「現在、住んでいる地域でクマなど野生動物被害の不安を感じる」と答えた人は全体の40.8%となり、以下のようなコメントが寄せられました。

【クマなど野生動物被害の不安を感じる理由】

▽近くの小学校に出た。また死亡事例もあるため(20代女性/岩手県)

▽市の中心部にまで出没しているから(50代男性/秋田県)

▽最近は街中にも出没するようになり、人間を恐れないクマが増えているように思います。子どもの登下校は歩きなので、とても不安に思います(40代女性/北海道)

【クマなど野生動物被害の不安を感じない理由】

▽都心なのでクマは出ないと思う(20代女性/東京都)

▽家の近くで目撃情報がないし、現実味がわかない(20代女性/兵庫県)

▽アパートの最上階に住んでいるためクマは部屋に来ない。イノシシはあるが、クマの目撃情報はまったくない地域に住んでいるため(30代女性/香川県)

一方、「住まい選びの際にクマなど野生動物被害のリスクを考慮している」と答えた人は30.8%にとどまり、「野生動物の被害だけにフォーカスして考えるのが難しい」という現実があり、リスクを考慮したくても、職場や家庭の関係上、野生動物被害のリスクがあるエリアに住まざるを得ないケースもあることがうかがえました。

また、「クマなど野生動物対策が整った物件への引っ越しを検討したいと思う」と答えた人は27.6%となり、実際の生活で野生動物被害の不安を抱えていても、引っ越しを検討するまでは至らない人が多いことがわかりました。

【野生動物対策が整った物件への引っ越しを検討したい理由】

▽安全な環境で暮らしたいので、対策が整った物件は魅力的(50代女性/北海道)

▽クマに襲われたというニュースを見ると怖いですし、近くまで迫っていることを感じるから(30代女性/宮城県)

▽クマが出没してしまったときのことを考えると、子どもを含む家族への被害がとても心配だから(40代男性/愛知県)

【野生動物対策が整った物件への引っ越しを検討しない理由】

▽野生動物対策が整った物件への引っ越しを検討するよりも、被害や目撃情報がない場所の物件への引っ越しを検討する(20代女性/宮城県)

▽予算が今のところはないし、実際に考えるべきことはクマの被害だけではない(30代男性/京都府)

▽持ち家なので、簡単に引っ越しはできない。山のそばではないので、不安はあるもののクマは来ないだろうと思っている(30代女性/長野県)

最後に、「クマなど野生動物被害が多い地域の不動産価値が下がると思うか」と聞いたところ、82.6%が「下がると思う」と回答し、安全性への懸念から、買い手や借り手に敬遠されがちということが浮き彫りとなりました。

   ◇  ◇

【出典】

▽空き家買取隊/【クマなど野生動物被害が住まい選びに与える影響は?】男女500人アンケート調査

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