ドライバー1本でゴルフに親しめる…「ドラコン」競技で日中友好の架け橋に 東大阪の”飛ばし屋”社長の願いとは

日本のドラコン競技の第一人者で、東大阪にあるシャフトメーカー「ディスタンス」の酉川博文代表(55)が主催する「JLDCプロアマ大会」が12月12日に滋賀県のデイリー信楽カントリー俱楽部で開かれた。今年で7回目。今回から初めて中国・青島市のゴルフ関係者なども参加し、交流を深めた。今後はゴルフの普及に力を入れるそうだが、なぜ、ドラコンに着目したのか。

■大会は3つのスローガンでスタート

今回で7回目を迎えたJLDCプロアマ大会は「ゴルフ産業を盛り上げよう、社会とゴルフを繋ごう、ゴルフを楽しもう」というスローガンの下でスタートした。コロナ禍が明けて初めての大会となり、滋賀県のデイリー信楽カントリー俱楽部を舞台に、アマチュア102名、プロ30名の合計132名が参加した。

酉川さんの思いに賛同する企業や経営者は年々増え、今回の大会では関西ものづくり産業の中小企業数十社が協賛し、プレイヤーとしても参加。大会会場で人気上昇中のゴルフウエアブランド「ラウドマウス」の展示即売会も実施し、大好評だった。

「ゴルフを楽しんでもらい、社会とゴルフがつながり、その結果、ゴルフ産業が元気になることが一番。それが回り回って、ゴルフで社会貢献して、多くの人々に喜んでもらえれば、いうことないです」

■今回から中国・青島のゴルフ関係者も初参加

さらに、今回から中国山東省青島市のゴルフ連盟関係者や中国の経営者17名が初めて参加することに。酉川さんによると、今回の来日メンバーの1人で青島市ゴルフ連盟の方重陽(ホウ・チョウヨウ)さんは中国国内で、若い年代にもゴルフを普及させたい思いがあり、まずドライバー1本でゴルフに親しんでもらおうと、ドラコン競技に着目したと言う。

そこで、来春には日本からドラコン選手を招待し、日中友好のドラコンイベント開催の計画を検討中。さらに、ビジネスマンでもある方さんは、中国ドラコン協会を立ち上げる計画で将来はドラコン競技の大会を中国などで開催し、世界各国との交流を広げて行く考えだ。

大会は柳生コース、甲賀コースを使用し、プロ、アマチュア選手ともにトップがアンダーバーで回るという白熱の展開。しかし、トップの組が後半スタートするころからコースに濃霧が発生し、前半9ホールのスコア集計による競技成立となった。

結果、プロ部門は今年のレギュラーツアーにスポット参戦した西脇まあくプロ(柳生コース)と冨田幸暉プロ(甲賀コース)がそれぞれ優勝となり、大会規定により優勝賞金が分割で授与され、以下各コース6位までにプロに賞金が授与された。アマチュア部門のベストグロス賞には今年の関西ジュニアゴルフ選手権覇者でハーフ5アンダーを記録した皿木大智選手が獲得している。

また柳生コース1番ホールに、特設ドラコン会場を設営し、ドラコン競技を実施。中国を含む20名の飛ばし自慢の選手が参加し、男子の部は浅田裕亮選手、女子の部は野口涼選手がそれぞれ優勝。飛距離300ヤード以上というポテンシャルを持つ中国の王隆(オウ・リュウ)選手はアゲインストの中、260ヤードを記録し、男子の部2位だった。さらに、今回の出会いの感謝の意として方さんから参加したジュニア、女性にお土産がサプライズプレゼントされ、表彰式は一段と盛り上がった。

■モノづくりのまちが手がける手づくりのプロアマ大会

主催した酉川さんは「濃霧中断もあった大会となりましたが、みなさんに最後までゴルフを楽しんでいただき、日中親善の架け橋となる良い大会となりました。これからもすべてのゴルファーを応援し、参加いただいたアマチュア選手のみなさんが仕事とゴルフで企業を盛り上げ、ゴルフと社会を繋ぐ大会として、さらに発展させていきたい」とまとめた。

モノづくりのまちが手がける手づくりのゴルフ大会。ドラコンの弾道のように今後、大きく飛躍しそうだ。

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