玄関から脱走した猫、川で溺れていたところをボートに乗った人がレスキュー 一命を取り留めた猫さんの冒険ストーリー

今年3月、東京都内在住の保護ボランティアの自宅から脱走したという黒白ハチワレ猫のシーちゃん(推定4歳・雌)。3カ月ほど経った6月、保護主から連絡があり無事に生存を確認。実は、脱走した翌日に自宅から数キロ以上離れた川の真ん中で溺れているところをたまたまボートで通り掛かった保護主が助けて一命を取り留めたといいます。

■ボランティアが保護した猫、玄関から脱走 脱走防止柵の下をすり抜けた!?

シーちゃんは、4年ほど前にボランティアの自宅から近い公園で保護された猫。脱走したのは、ボランティアが仕事で遅くなった日でした。いつもよりも夕飯が1時間半ほど遅く、玄関の引き戸を開けると脱走防止柵の向こう側でお腹を空かせた猫たちが集合していたとのこと。「ご飯が遅くなってごめんね」と声を掛けると、シーちゃんだけが柵から出て玄関にいることを発見。慌てて引き戸を閉めようとしたら外に飛び出していったそうです。

「脱走防止柵のパイプがしなっていたこともあり、柵の下側からシーちゃんはくぐり抜けたようでした。玄関側に置いておいたキャットフードを狙っていたのでしょう。悪いことをしていると自覚していたのか私と目が合ったら驚いて外に飛び出しちゃったんです。当時は柵の定期点検をしていなかったことや、引き戸をすぐ閉めれば良かったと反省しました」と言うボランティア。

さらに脱走後は「近所を探したり、迷い猫を呼びかけるポスターを貼ったり。チラシも作ってポスティングもしました。このほか、迷い猫のサイトも利用して探しましたが、シーちゃんの有力な情報がなく、月日だけ過ぎていきました」と振り返ります。

■迷い猫のサイトを見た人からボランティアに連絡 「保護した猫に似ている」

しかし、6月に入り半ば諦めかけていたときに迷い猫のサイトを見て「保護した子に似てる」と保護主からボランティアのところに連絡が入りました。そして、保護主から川で溺れていたシーちゃんを助けたという驚くべき事実を聞かされたのです。

「保護主さんはたまたまボートで通り掛かり、シーちゃんを助けてくれました。斜めになって力尽きる寸前で、あともう少し遅ければ沈んでいたそうです。間一髪でした。保護主さんももともと猫を飼われていて、猫好きな方。とはいうものの、川から救出してすぐ、シーちゃんはおびえながらあわててボートの先端にもぐり込んでいたとか。元気そうだったので、桟橋に着いたあとに逃がそうとしたらしいですが、電話で家族に相談して動物病院に連れて行ってくれました」(ボランティア)

診察した獣医師によると、両前足の爪が全てすり減っていたため、橋の上から川に落ちたのではないかとのこと。橋の上から落ちる際、壁などに爪を立ててすり減ってしまったのではないかといいます。

■なぜ、数キロ以上離れた川で溺れていた?

また、自宅から数キロ以上離れた川の近くまでどのようにたどり着いたのでしょうか? ボランティアはこう推測します。

「自分の足で行ける距離ではないので、一番可能性が高いのはトラックの荷台に乗り込んでいて、そのまま発進してしまったのではないかと。実は、自宅の近くにトラックが何台も並んでいる倉庫があって。そっちの方にシーちゃんが走っていたことを記憶しています。川に落ちたのは、橋の辺りでトラックが止まったときにでも落ちてしまったのではないかと思います。ただ、ボランティア仲間からは橋の上から何者かが故意に遺棄したのではないかとも言われましたが…実際のところは分かりません」

そんな救出劇に出くわした強運のシーちゃん。今は、保護主のおうちで暮らしているそうです。

「保護主さんからおうちに迎え入れたいと言ってくれたんです。アレルギー持ちだったので、そのことも全てお伝えしたところ、きちんと医療を受けさせてもらいますと、快くおっしゃってくださいました」とボランティア。シーちゃんがいなくなった今は「少しさびしいですが、命の恩人でとても良い方にお迎えしてもらってシーちゃんは幸せです!」と話してくれました。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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