中国人俳優だと思い込んでいた…共演者やコンビニ店員も欺いた梅田誠弘って?夢は役所広司との共演

共演者の岡田義徳に「役所広司さん以来の衝撃!」と言わしめたのが、映画『鬼が笑う』(6月17日公開)に出演する俳優の梅田誠弘(39)。劇中では、日本企業に搾取される悲しき中国人出稼ぎ労働者を演じている。

梅田といえば、昨年話題になった映画『由宇子の天秤』での演技が評価され、高崎映画祭の新進俳優賞を受賞した注目の逸材だ。今回の『鬼が笑う』では、役作りの一環としてたどたどしい日本語を体得。共演者とスタッフのみならず、自宅近所のコンビニ店員にまで“外国人”という印象を植え付けることに成功した。その成り切りぶりに観客も必ずや翻弄されるはず。自らを「カットマン俳優」と分析する俳優・梅田誠弘とは一体“何者”か?

■撮影中は終始片言で生活

父殺しの過去を持つ一馬(半田周平)とともに劣悪な環境の工場で働く、心根の優しい中国人労働者・劉煒役。梅田は片言をマスターするために、撮影期間中は劉煒に成り切って生活をしていたという。

「日本によくいる片言の外国人というイメージを頭の中で思い浮かべるだけでは単なるモノマネになってしまうので、撮影期間中の会話はすべてたどたどしい日本語で通すことにしました。困ったのは買い物ですが、コンビニで『レジ袋はいりますか?』と聞かれたので、試しに『フクロ?ハイ、ダイジョブデス』と返したら、いまだかつてないくらい丁寧な接客をしていただきました。僕としては店員さんに本物の外国人だと思われたという希望的観測を持っています」と笑う。

撮影現場での雑談はもちろんのこと、独り言も片言で通すなど、自分自身でも錯覚を起こすくらいに異国人という設定を体に馴染ませた。その結果、コンビニ店員同様に共演者も騙すことができた。

「撮影も中盤くらいに差し掛かった時期に、みんなで出身地の話題になりました。そこで『劉さんはどこ出身?』と聞かれたので『鳥取県です』と答えたら、『え?日本人なの!?ずっと中国人だと思っていた!』と驚かれました。一部のスタッフさんも撮影途中まで僕のことを本物の中国人俳優だと思っていたそうです」と努力が実って嬉しそう。

■いつか憧れの役所広司と…

梅田のことを中国人俳優だと思い込んでいた共演者の一人である岡田からは、映画『KAMIKAZE TAXI』(1994年)で片言を駆使して日系ペルー人を演じた役所広司を引き合いに「俺がホンモノの外国人俳優だと思ったのは役所さんと梅田さんだけ!」と絶賛された。梅田は「恐れ多いですが凄く嬉しいです。それを言われた日はグッスリと眠ることができました」と予想外の賛辞に恐縮しきり。

その役所広司は憧れの存在だ。「役所さんのトークイベントに観客として参加したことがあって、質疑応答タイムで挙手したものの残念ながら選ばれませんでした。いつかご一緒する機会があったら『あのときに挙手をした者です!』とお伝えしたいです。実際は緊張と興奮で話しかけることもできないでしょうけれど…」と初共演を夢見ている。

■卓球もなかなかの腕前

地元・鳥取県では卓球に熱中。高校時代は県大会で2位に食い込んだ実力の持ち主でもある。現在も卓球は続けており、三遊亭小遊三らも参加する東京卓球選手権大会のショービズ部に出場したりしている。

自らの俳優としてのスタイルを卓球で表すならば「ガンガン攻めるようなドライブマンではなくカットマン」と分析。「相手がどんな強い球を打ってきたとしても、その回転をカットして下回転の返球で変化を与える。相手がその変化に翻弄されたところで攻撃に転じる。演技でも相手からどれだけの反応をもらって、それを受けて自分がどう変化して返していくのかが重要だと思っていますから」。相手を翻弄するカットマンとしての本領は『鬼が笑う』でもしっかりと発揮されている。

(まいどなニュース特約・石井 隼人)

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