大通り沿いの自販機の下で寒さに震え、消え入りそうな声で鳴いていた子猫 今では先住猫と兄妹のように

たらこちゃんは、生後1か月くらいの時、自販機の下で震えながら消え入りそうな声で鳴いていた。2匹の保護猫と暮らし、猫カフェで働いていたたぬぴーさんは、そのかすかな声を聞き逃さなかった。保護したかったが、自販機の下に手を伸ばしたら子猫が道路に飛び出してしまう可能性もあった。

■保護猫を飼ったのをきっかけに猫カフェで働く

大阪府に住むたぬぴーさんは2011年の夏、まにくんという保護猫を譲渡してもらった。2016年7月には初めて自分で猫を保護して、うらくんと名付けて飼った。2匹の保護猫と暮らすうち、保護猫のことや保護活動についても知るようになった。

猫の画像をアップするためにインスタグラムをしていたが、そこで偶然、保護猫カフェがスタッフを募集していると知った。「保護猫カフェのことも、その時まで知らなかったのですが、里親を探すところなんだと知って、すぐに応募してスタッフとして働くようになったんです」

■自販機の下で震えていた子猫

その年の10月下旬、帰り道でかすれた子猫の声が聞こえてきた。気になって辺りを探すと、道路沿いにある駐車場の自販機の下で、丸まっている子猫を発見した。子猫は寒さに震え、目の周りは目ヤニでガビガビになっていた。

目の前を交通量の多い道路が走っている危険な場所。保護活動をしている人に「保護したほうがいいでしょうか」とLINEで尋ねると、「保護でしょう」と返事が返ってきた。驚いて道路に飛び出してしまうとすぐにひかれてしまう。たぬぴーさんは緊張した。ゆっくり慎重に自販機の下に手を伸ばして子猫をつかみ、持っていたTシャツにくるんで保護した。生後1か月くらいだった。

名前はたらこちゃんにした。たらこちゃんは真菌を持っていたので、しばらく実家に隔離。状態が落ち着いてから本格的に家で飼い始めたという。

■本当の兄妹のように仲良く

最初はたらこちゃんをケージに入れて飼っていたが、すぐに出たがったのでフリーにした。

月齢が近いハチワレ猫のうらくんとはすぐに仲良しになり、うらくんがたらこちゃんにくっついたり、じゃれあったりした。その姿はまるで本物の兄妹のようだった。

たぬぴーさんは、たらこちゃんがいた場所のTNRをするなど本格的に猫の保護活動をするようになった。そして、自身の飼い猫の他にも、里親募集中の猫数匹と暮らすようになった。たらこちゃんは他の猫に追いかけられるタイプなので、いつしか上のほうにいることが多くなった。現在、たぬぴーさんの家には10匹くらいの猫がいるが、最近やっと下でも暮らせるようになったという。猫より人が好きなたらこちゃん。なれた人には甘えてくる。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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