君も巨大オーバンドと“映え写真”を撮ってみないか?撮影自由!刺激と見どころ満載の今竹七郎展

輪ゴム「オーバンド」の黄色と茶色のパッケージや、メンソレータムのナースなど、誰もがどこかで一度は目にしたことのあるデザインを生み出した日本のグラフィックデザイナーの先駆者、今竹七郎。その没後20年を記念した回顧展「今竹七郎展~近代日本デザインのパイオニア~」が、今竹の地元である兵庫県の西宮市大谷記念美術館で開かれている。類い稀なるセンスが光るイラストや商品パッケージ、アイデアを書き留めた貴重な直筆メモなど計約400点を展示。会場内は撮影自由で、嬉しいことに(?)オーバンドの巨大オブジェもある!

今竹は1905(明治38)年、神戸生まれ。神戸大丸や大阪高島屋で広告デザインなどを担当して頭角を現し、35(昭和10)年には大毎・東日新聞社主催第5回産業美術振興運動展で「明治チョコレート(新聞広告)」が第1位商工大臣賞を受賞した。戦後は神戸にスタジオを構え、日本を代表する多くの企業でアートディレクターを務めたほか、自宅のある西宮では長く市の広報誌のデザインを手掛けた。2000(平成12)年、呼吸不全のため死去。

西宮市大谷記念美術館では、今竹が93歳だった1998(平成10)年に「モダンデザイン・絵画の先駆者今竹七郎展」、2005(平成17)年に「モダンデザインのパイオニア生誕100年 今竹七郎大百科展」を開催。学芸員の下村朝香さんによると、オーバンドの巨大オブジェは98年の展覧会のために作られたもので、今回は実に22年ぶりの登場となる。展示品は全て撮影自由(ただしフラッシュは禁止)ということもあり、オーバンドの巨大オブジェは格好の撮影スポットとして人気を集めている。

会場では、グラフィックデザイナーへの萌芽を感じさせる10代の頃から、戦前/戦後のデザインの仕事、地元西宮との関わり、そして絵画制作といったテーマを設け、グラフィックデザイン界で先駆的な役割を果たした今竹の全キャリアを総覧。斬新でありながら温かみのあるタッチのデザインは今なお古びていない…どころか、むしろますます刺激的。「デザイン」が日々の暮らしや社会をいかに豊かに彩ってきたかをあらためて実感させられる。見覚えのある商品パッケージには、思わず頬が緩んでしまう人も少なくないはずだ。

会期は12月6日まで(水曜休館)。10時から17時。一般1000円、高大生600円、小中学生400円。全275ページの図録(2500円)を買うと、先着400人にオーバンドのミニ版をプレゼント。同館TEL:0798-33-0164

(まいどなニュース・黒川 裕生)

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