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コロナ禍で「占い師志望者」が増えているって本当? 先行き見えぬ昨今…相談者も増加、占い師のニーズ拡大

「あなたのココロのスキマをお埋めします」-コロナ禍で先行きが見えない不安が募る今、占い師志望者が増えているという。中でも、電話をはじめとしたメールやチャット、Zoomといったオンラインツールなどを使って場所を問わず鑑定できる“リモート占い師”を目指す人が多いそうだ。どんな人たちが、どういう理由で占い師になろうとしているのか? 占い師を育成している“現場”をのぞいてみた。

■コロナ禍の自粛で休職中だった女子、辞めて占い師に転職!?

奈良県でタロット占いや四柱推命、九星気学などを教えている講師の珠莉(しゅり)さんは、大阪の老舗鑑定所で多数の鑑定実績を持ち、2014年に叶莉屋(カナリヤ)を開業。プロとして占い鑑定・カウンセラーとして地元奈良、大阪などで活動している占い師でもある。コロナ感染拡大の状況に入ってから、占い講座の受講者にある“変化”が出てきたという。

「緊急事態宣言が発令され全国的に自粛が始まった4月ごろから、私自身も鑑定や講座をリモートに切り替えました。月延べ50人くらいだった講座の受講者数は、4月以降、その倍の延べ100人近くまで増加。コロナになってから新たに受講される方が増えてきたんです」と珠莉さん。

「それも自粛が始まって休職状態になった、あるいは失業したという20代から30代前半の若い女性の受講が増えてきました。これまで受講者の大半は、40代から50代の女性。受講理由にしても、趣味で始める方だったり、副業として占いを始めたいという方であったり。また、主婦の方がパートの代わりに占い師のお仕事をしたいということで受講されることが多かったです」と話す。

今回増えた若い世代の受講者というのは「飲食業やサービス業などで接客に携わっていた方が目立ちます。例えば、ある女性は会社のお仕事が休職状態になってしまって、思い切って退職。奈良の地元に戻ってきて、ネットで仕事に結びつきそうな講座などを探していたところ、私の占い講座を見つけたそうです。そこで占いを学んで、占い師になろうと決意。もともと占いが好きということもあったと思いますが、接客のスキルを生かせる仕事だと考えたようです。このほか、リモートでもできる仕事なので、英語力を生かして海外の方を相手に占い師として活動したいと受講を決めた方もいらっしゃいます」。

このように珠莉さんのところで占いを学ぶ若い世代の受講者は、占い師を本業としてやっていきたいという強い思いで受講を決めた方が多いようだ。

■占い師として稼ぐためのノウハウ講座に受講希望者殺到

一方、コロナ禍で「全体的に占い師志望者は増えてきている印象はあります」と話すのは、占い鑑定歴20年以上でベテラン講師の本田有紀華(ゆきか)さん。これまで手相やタロット占い、西洋占星術など多数の占い講座を東京都内で開設し、1000人以上の生徒を教えてきた。全国的に自粛となった4月と5月にオンライン講座を行ったものの、一時的に新規の受講者は減少。しかし、自粛解除後の6月からは徐々に受講者が増えてきたという。

「4月、5月は月の受講者は延べ50人前後でしたが、6月から対面講座も再開して一気に受講者が月延べ80人くらいまで増えました。受講者は、OLさんや主婦がほとんど。OLさんの場合、本業をしながら副業で占い師の仕事をしたいという理由で、主婦の場合は家事の合間に在宅で働けるからという理由などで受講されている方が多いです。受講して早い方だと、1カ月くらいで占い師として働く方もいらっしゃいます」と、本田さん。

受講者について「皆さんの経済事情まで深く突っ込んで伺うことはしませんが、コロナで本業の収入が減ったり、正社員で働いていてもこの先安定した収入で働き続けることができるかどうか不安を感じていたりしている方もいらっしゃるようです。また主婦の中には、コロナ感染のリスクを考えたらパートで働くより、在宅でお仕事ができるから安心という考え方もあるのかなと思います」と言い、多少なりともコロナ禍での収入や働くことへの不安などを抱えながら受講している方も少なくないようだ。

また、本田さんが5月から占い師として稼ぐためのノウハウ講座(オンライン・対面選択可)を新たに始めたところ、「開設当初、数十人近く受講希望者が殺到して驚きました。あらためて、副業といえども占い師になって稼ぎたいというニーズがあることを実感。今は受講者のご要望に応えるため、少しでも早く占い師としてお金を稼げるようサポートをしているところです」と張り切る。

このほか、本田さんの教え子でサラリーマンの男性もコロナ禍で本業が暇になり、休んでいた占い業を再開したという人もいるとのこと。本田さんの周りでも、コロナ禍で占い師として活動を考えている、あるいは活動する人たちが増えている。

■高まる“リモート占い師”のニーズ

こうした占い師志望者が増えている背景には、コロナ禍で悩みを抱えている人たちの増加が後押しているという。確かに、仕事以外は人となるべく会わずに家に閉じこもりがちな生活が続くと、悩みも深くなって一人で抱えてしまいがち。そんなときに電話やメール・チャット、オンラインなどで話を聞いてくれる“リモート占い師”の存在は意外にも大きいのだ。

「特に自粛中の4月と5月は皆さん家にこもっていたせいか良からぬ不安に駆られたようで、いつも以上にご相談が増えたと感じます。私の生徒で占い師として活躍している女性も副業で月50万ほど稼いだそうです。私のところにも深いお悩みを抱えたお客様からの電話やオンライン鑑定などが増えました。『今後仕事がどうなるのか』『会社はどうなるのか』『コロナの直前に会社を辞めて、転職がうまくいかない』など、先行きの見えない不安をご相談する方が多かったと思います。この不安はコロナが終息するまで続きそうです」と本田さん。

やはり、“リモート占い師”は自宅にいながら話を聞いてもらえる、占ってもらえるという点で、コロナ禍におけるニーズは高まっている。最近は、チャットや電話などで気軽に相談できる占いアプリを利用する人が増え、占いアプリを運営する会社の中には占い師の募集人数を増やしているところもあるという。

本田さんのところで学ぶ生徒も何人か占いアプリの会社のオーディションを受けたところ、全員合格。本田さんは「募集人数はどのくらいなのかは分かりませんが第2波、第3波に備えて、相談者がさらに増えると見込み、門戸を広げているのかもしれませんね」と話す。

珠莉さんも「4月以降、電話占い会社から『生徒さんを紹介してほしい』というオファーメールをたくさんいただくようになりました。中には紹介料を支払うというところも。私のところでは現在オファーをお受けしていませんが…それだけ占い師が今必要とされているのだと感じました。ただ、人の話や悩みに耳を傾けることは大変な仕事です。講座では占術だけではなく、しっかりとマインドも育てていきたいと思います」と語る。

実際、占い師志望者が増えたといっても、本田さんいわく、会社にもよるが、占い会社などに所属して働くと占い師本人に入るお金は売上の20%から30%程度とのこと。本業で稼ぐとなると、かなりの実力と努力、そして運も必要なようだ。コロナ禍の終息後、コロナ禍で占い師になった人たちがどれだけ活動を続けているだろうか。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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