4Kリマスターでバッキバキに蘇る伝説!研究家が解説「ブルース・リー復活祭」のここがすごい

映画史に燦然と輝くアクションスターにして、伝説の武道家ブルース・リー。1973年7月20日に亡くなってから今日でちょうど47年となるが、今なお世界中に愛され、様々なジャンルに影響を与え続けている。生誕80年に当たる2020年夏、「最高の映像と最高の音声」による主演作4本のリバイバル上映イベント「4Kリマスター復活祭2020」が全国40館以上の映画館で順次、開催されている。7月18日に初日を迎えた神戸の元町映画館では、23、24日にブルース・リーの同人誌発行人で研究家としても活躍する「ちゃうシンイチー」こと原真一さんを迎え、トークショーや追悼献花式を実施予定。原さんに復活祭の楽しみ方などについて聞いた。

4Kリマスターで上映されるのは、世界的熱狂の発火点となった凱旋帰国後初の主演作「ドラゴン危機一発」(1971年)、人気を決定づけた伝説の傑作「ドラゴン怒りの鉄拳」(72年)、キャリアの全てをかけて挑んだ初監督作「ドラゴンへの道」(72年)、死後に完成した遺作「死亡遊戯」(78年)の4本。いずれも4Kリマスターの映像に、「世界最良といわれた日本初公開時英語版を極力再現した最強音声による<世界初・日本限定バージョン>」(公式サイトより)での上映となる。

原さんは「4Kはとにかく映像がクリア。毛穴までばっちり見えるし、『ドラゴン危機一発』のラブシーンでは、ブルース・リーの乳首付近から生えている毛まで確認できてしまいます」と笑う。

「『ドラゴン危機一発』に関してもうひとつ付け加えると、彼が最後の戦いの直前に食べているポテチかえびせんのようなもの。ファンの間であれが何なのかは長年の謎とされてきたのですが、今回の4K映像を見て私は『これだ!』という確信が得られました。ファンの皆さんにも是非、自分の目で確かめてほしいですね」

原さんによると、日本全国これだけの規模でブルース・リー作品が上映されるのは、没後10年(1983年)のリバイバル上映以来という。とはいえ近年も映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年)や「イップ・マン」シリーズ(08年~)などの影響もあって、ブルース・リーの存在感は依然として衰えていない。そう、世界は今も彼を中心に回っている(by公式)のだ!

ちなみに2018年には元町映画館で「ドラゴンへの道」が上映され、原さんもトークショーで登壇。若い観客が多かったことに、古参ファンのひとりとして喜びを感じたという。1965年生まれの原さんは、「死亡遊戯」公開時に中学生だった、いわゆる直撃世代である。

「僕はブルース・リーのライバルはビートルズだと考えている。でもビートルズのファンが次の世代にきちんと魅力を伝承してきたのに対して、僕らはそれができていなかったように思うのです」

「ブルース・リーを神格化するあまり、ファンが排他的になっていないか。このままではブルース・リーの素晴らしさが世間に伝わらないのではないか。そんな危機感を抱いていることもあり、今回の復活祭のようなイベントは、ファンの間口を広げていく機会だと捉えて大切にしたいと考えています」

23日は「今、読み解くべき『死亡遊戯』の心」と題して原さんがトーク。24日は原さんのほか、ブルース・リーゆかりのゲスト3人を招いて没後47年の追悼献花式を執り行う。いずれも19時上映の回が終了後にスタート。新型コロナウイルス感染防止策として席の間隔を空けているため各回先着34人で、チケットは当日販売のみ。原さんは「復活祭の上映館で、献花式をやるのは元町映画館だけ。国境を超え、時代を超えるブルース・リーの色褪せない魅力を存分に語り合いましょう」と呼び掛ける。

(まいどなニュース・黒川 裕生)

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