公園で保護した猫のごまちゃん 獣医師もビックリ、歯が1本もなかった…

 ロシアンブルーの血が入っているのでしょうか。推定11歳のごまちゃんは、アッシュブルーかアッシュグレーといった色味の毛をしています。昨年の春、大阪・豊中市の公園で保護されました。

「息子が見つけたんですけど、首輪をしていたし、とても人懐っこかったので、迷子だと思って警察に連絡して保護してもらったんです。ただ、その首輪がとても汚かったので、長い間放浪していたのかなと…」

 1年前のことをそう振り返るのは、現在の飼い主である山田育子さん。そのときはまだ、ごまちゃんを飼うことになるとは思っていませんでした。ただ、「飼い主が見つかっても見つからなくても連絡が欲しい」と伝えて帰宅したそうです。

 2週間後、警察から電話がありました。「飼い主が見つからないので処分することになります」。山田さんはすぐに引き取りに行きましたが、まだ飼うつもりはなく、里親を探そうと考えていました。家にはすでに2匹の猫がいて、3匹目は考えていなかったからです。

 ごまちゃんに咳とくしゃみの症状が見られたことから、山田さんは病院へ連れて行きました。診断は猫風邪。それ自体は珍しいことではありませんが、獣医師を驚かせたのは、ごまちゃんに歯が1本もないことでした。

「余程の高齢ならですが、すべての歯が自然と抜けてしまうことは考えにくいと言われました。ごまちゃんは推定10歳ということでしたし。口の中の病気を治療するために抜くことはあるようですが、ごまちゃんに歯がない理由は分からないままです」(山田さん) 

 元の飼い主さんの下で何らかの治療を受けたのか、実は年齢がもっと上なのか…。原因は分かりませんが、とにかくごまちゃんには1本も歯がありません。それでもごはんは他の2匹と同じカリカリフード。「丸のみですけどおいしそうに食べるんですよ」と山田さんは笑います。

 猫風邪の治療のため、毎日薬を飲ませて、目薬をさして…お世話しているうちに情がわいてきたという山田さんのご家族は、1週間後に正式に「うちの子」にすることを決めました。

 先住猫たちとの相性はお世辞にもいいとは言えず、ごまちゃんは他の2匹を見るとひどく怒ったそうですが、ごまちゃんを1階、他の2匹を2階で飼うようにして、時々同じ空間で過ごさせていたら、今では「空気のような存在」(山田さん)になったとか。「お互いに無関心てことなんですけどね(笑)」(山田さん)。猫はもともとマイペースな生き物。それくらいの距離感がちょうどいいのかもしれません。

(まいどなニュース特約・岡部 充代)

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