早く出してくれ…愛護センターで激しく吠えたラブラドール 里親さんの愛情に満たされ「とてもいい子に」

ラブラドールレトリーバーのボスくんは、徳島県庁の周辺を放浪していたが、たまたま通りかかった人が保護して動物愛護センターにやってきた。飼い主が見つからず、徳島新聞の迷子犬コーナーに掲載された。犬好きの藤野さんは、いつも迷子犬コーナーをいつも見ていたが、ボスくんが掲載された時、引き取る決心をした。

■新聞の迷子犬コーナーに掲載されていた大型犬

徳島新聞には、毎週木曜日に迷子の犬が掲載される。徳島県に住む藤野さんは、写真や特徴を毎週見ていた。ゴールデンレトリーバーの雑種犬を飼っていたので新たに迎える予定はなかったが、なんとなく気になった。

2016年8月に犬が亡くなり、翌月、徳島新聞にラブラドールレトリーバーが載っていた。「なんでラブラドールの迷子が載っているんだろう」と不思議に思い、徳島県動物愛護センターに連絡してみると、飼い主が見つからないのだという。

徳島県庁のあたりをうろうろ放浪しているのを通りかかった人が見つけたが、その人は大型犬を飼えなかったので、愛護センターに連絡してきたそうだ。

藤野さんは、「大型犬が好きなので、引き取らせてくれないか」と言った。

■早くここから逃げなければ

9月末、愛護センターに行くと、犬舎にいた犬が、「出してくれ、出してくれ」とでも言っているかのように激しく吠えた。

「これは私が引き出さないと、と思いました。でも、職員さんに、肝臓の数値が高いから引き取ってもらっても迷惑かもしれない、再検査してみて、大丈夫だったら譲渡しますと言われたんです」

検査の結果、肝臓の数値に異常がないことが分かり、藤野さんは、犬を引き取る人が受講する講習会を受けた。

10月15日、友人と迎えに行くと、犬舎から出られた喜びと早くここから逃げなければという思いが重なったのか、ものすごい力でぐいぐい引っ張った。車に乗るのを嫌がったので、愛護センターの人と一緒に必死で乗せた。いまも車は嫌いなんだという。

■愛情に満たされて

家に着くと喜んで家の中に入り、しばらく臭いを嗅ぎながら探検していたが、1時間もすると横になって深い眠りについた。愛護センターでもらった手帳には、推定8歳と書いてあった。

名前はボスくんにした。

家の中でフリーにしていたら、ゴミ箱をひっくり返したり、カーペットをめくったり、テーブルの上のものを盗み食いしたりした。そこらじゅうにウンチやオシッコをしたが、1カ月くらいで落ち着いた。

「いまは、帰宅すると喜んで玄関まで迎えに来てくれるんです。とってもいい子なんですよ」

甘えん坊で、なでてもらうのが好きだが、あまりべたべたされるのは苦手。藤野さんのところに来た頃は、散歩で人に会うと喜んですり寄って行ったが、最近は愛に満たされているようで、すれ違っても素知らぬ顔で歩き続けるそうだ。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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