「こんな汚い猫、なんで引き受けるんや!」…飼い主が亡くなり家を追い出された猫、反対する夫に隠れて保護

おじいさんが飼っていたきびだんごくん。おじいさんが病気で亡くなると、部屋の外に追い出されてしまった。偶然、きびだんごくんと出会った久貝さんは、ご主人に猛反対されながらもきびだんごくんを飼うことにした。

■おじいさんが亡くなって追い出された猫

2015年8月、京都府に住む久貝さんは、町内会の会長をしていたので、近くのマンションで配布物を配っていた。1匹のきじねこがいつも同じ部屋の前にいたので、猫好きの久貝さんは気になっていた。

きじねこは、その部屋に住んでいたおじいさんが飼っていたのだが、おじいさんが病気で亡くなってしまった。部屋を引き払わないといけないので、親戚の人が外に放り出したのだという。ごはんは、同じマンションの人が与えていた。

きじねこは、なぜか久貝さんの後をついてきた。家に着くと玄関の前に2時間くらい座っていた。猫風邪をひいていて、鼻水と咳がひどかった。

■ご主人が猛反対

猫好きの娘さんがきじねこを飼いたいと言うと、久貝さんのご主人は、「なんでこんな猫をうちに入れるんや!こんな汚い猫、なんでうちが引き受けるんや!」と、久貝さんが困惑するくらい激怒した。娘さんも「外には出せないし」と応戦した。

娘さんは、猫を「きびだんご」と名付け、こっそり部屋に入れて飼っていた。久貝さんのご主人は、幼い頃から実家で猫を飼っていたので、本当は動物が好き。娘さんと久貝さんがきびだんごくんを飼っていることは知っていたが、知らないような顔をしていた。

久貝さんは、とかちくんという3歳の黒猫も飼っていたが、きびだんごくんは推定10歳。とかちくんがきびだんごくんのところに来ると、若い猫の相手をするのは煩わしいようだった。仲が悪いというほどでもなかったが、一緒に寝るようなことはなかった。

■愛猫きびだんごくんを亡くしてペットロスに

猫風邪が治るまで、きびだんごくんは鼻くそを飛ばしながら過ごしていた。

「壁にくっつくもんですから、取るのが大変でした(笑)可愛いところもあって、手のひらに乗るような小さいぬいぐるみをかごに入れておくと、ウーウー言いながらくわえて持ってきました」

娘さんは、会社から帰ってくると、いつも部屋できびだんごくんと一緒にいた。会社でのストレスをきびだんごくんが癒してくれていたのだ。

しかし、2019年7月31日、娘さんが帰宅すると、部屋できびだんごくんが亡くなっていた。高齢のため腎臓病を患っていて、闘病中だった。

娘さんは、ペットロスになり、泣き暮らしていて、やがて会社も休みがちになってしまった。久貝さんは、「立ち直るのに時間がかかりそうだな・・・」と思った。

知り合いの猫ボランティアさんに相談すると、「次の子を迎えないとあかんわ」と言われ、久貝さんと娘さんは、8月末、譲渡会に行った。そこには、きびだんごくんにそっくりの子猫がいた。子猫を見るなり、「この子や!」と離さなかった娘さん。子猫を迎えて再び元気を取り戻したそうだ。

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