東京から鳥取の保健所に猫を引き取りに行った…「家に帰るのが楽しみ」になったシニア猫との生活

シニア猫のすこやかちゃんは、飼い主が亡くなった後、遺族に預けられていた。しかし、遺族も猫を飼えないと保健所に持ち込み。東京で一緒に暮らす猫を探していた舞草さんは、譲渡サイトで鳥取県の保健所にいたすこやかちゃんを見つけた。

■東京から鳥取まで引き取りに

2019年5月、猫のすこやかちゃんは鳥取県の保健所にいた。飼い主が亡くなり遺族のところにいたが、その人はすこやかちゃんを飼えないと言って保健所に持ち込んできた。

東京都に住む舞草さんは実家で猫を飼っていたので猫が大好き。ひとり暮らしをしていたのだが、6月上旬に猫と暮らせる部屋に引っ越して猫を探していた。譲渡サイトに「保健所にいる子を助けよう」という主旨のコーナーがあり、舞草さんは、たまたまそのページを見た。すこやかちゃんの情報はボランティアさんが掲載していたが、問い合わせは直接保健所にしてほしいということだった。

舞草さんは保健所の場所を見る前に写真を見て「ああ、可愛い」と思った。東京と鳥取県なので、簡単に見に行ける距離ではなかったが、写真だけ見てこの子にしようと思ったという。

■シニア猫と暮らしたい

他にも保健所に収容されている猫がいたが、首都圏や関東の猫はいなかった。譲渡サイトに都内の保護団体は見当たらず、あったとしても団体から譲渡してもらうにはワクチンや不妊手術の費用で3万円ほどかかる。そのお金があれば鳥取まで飛行機で行けると思った。

「すこやかはもう10歳で、シニアの子はもらわれにくいので私がもらってあげないととも思いました。ひとり暮らしなので子猫の世話は大変。シニア猫だと、ある程度性格ができあがっていて、1匹で留守番させても大丈夫だと思いました」

舞草さんは、6月末まで鳥取に行けなかったので、ひとまず保健所の人に電話で事情を説明して、すこやかちゃんを預かってもらった。

■家に帰るのが楽しみ

6月28日、舞草さんはすこやかちゃんを引き出すために鳥取に飛んだ。収容されているところを見たが、鳥取の保健所は環境が良かった。犬には散歩する時間があり、猫にはおやつの時間があった。「この子猫は昨日から離乳食が食べられるようになったんです」と職員が話してくれて、愛が感じられた。

すこやかちゃんと対面したが、「写真よりもっと可愛かった」という。

「保健所の人には甘えるけれど、私のことは初対面なので怖がりました。キャリーバッグに入れる時も怖がって、保健所の人にしがみついていました。何をされるのか分からなかったのでしょう」

すこやかちゃんは、2、3日ベッドの下から出てこなかった。ごはんは舞草さんが寝静まると、こそっと出てきて食べていた。一週間くらい経った頃、動物病院でフルコースの健康診断をしてもらったが、年齢の割には健康、悪いところはひとつも見当たらなかった。

ひとり遊びが得意で、夜中でも勝手におもちゃを引っ張り出してきて、部屋中走り回っている。舞草さんが家に帰ると、いろんなものが床に落ちていることもある。舞草さんは「家に帰るのが楽しみ。以前のように出かけなくなりました。家にいる時間が楽しいんです」と言う。

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