世田谷一家殺人事件に新事実 焦点は「フィリピン北部」で日比協力捜査へ 小川泰平氏が解説

 2000年12月、東京都世田谷区の住宅で会社員・宮沢みきおさん(当時44)の一家4人が殺害された未解決事件で、警視庁成城署捜査本部が現場で発見された包丁の柄をハンカチで包んでいた方法に関して、フィリピンで同様の使い方をしているとの情報が複数寄せられたと明かした。この新事実を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は13日、当サイトの取材に対し、「ここから急展開する可能性がある」と指摘した。

 事件は00年12月30日深夜から31日未明にかけて発生したとみられ、大みそかの朝に、宮沢さん、妻の泰子さん(当時41)、当時8歳の長女と6歳の長男の一家4人が刃物で何度も刺されて殺害されている姿が発見された。現場には多くの遺留品が残されていたが、犯人は特定されていない。

 そこから一転、捜査本部は13日、凶器となった包丁の柄をハンカチの中央の切り込みに入れ、袋状に包んで使っていたこと、そして、その行為がフィリピン北部のイロコス地方などで儀式や狩りで刃物を使う際や、軍人やギャングなどが刃物を使う時に包む方法と似ていることを明かした。20世紀最後の日に起きた未解決の惨劇から19年を経て、新事実が明らかになった背景には何があるのか。そして、そこに確信があるのだろうか。

 小川氏はハンカチの意味について「相手の出血で滑らないようにするため、また、自分の手が負傷しないように防ぐためで、軍関係者にはその知識がある」と説明。その上で、捜査本部が具体的な情報を明かしたことに「今も捜査が継続されているということです。発生当初は100人以上の捜査員が捜査本部に出入りしていましたが、その後、新たな情報が出てこなければ、通常は捜査本部も縮小され捜査員の数も少なくなっていく。それでも、日本における重大未解決事件の1つとして、今も専従捜査員が捜査を継続している。時効は撤廃されており、継続捜査によって新たな情報を得たということでしょう」と解説した。

 捜査本部は国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、フィリピン当局に対し情報提供を求めるとともに、現地への捜査員派遣も検討している。小川氏は具体的な「フィリピン北部」という焦点を絞った捜査が本格化することを指摘した。

 同氏は「当初から、軍関係者や軍の知識を有する者への捜査もされていたが、有力な情報が得られなかった。犯人が韓国製のスニーカーを履いていたことなどから韓国人と言う説が浮上したこともあったが、その中で、今回、新たにフィリピン北部という特定された地方の有力情報が出てきた。日本とフィリピンの警察は捜査協力においては友好的な関係にあり、日本から帰国した者、特殊なハンカチの包み方ができる者はいないか、前科のある者の照会や、現場に遺留した指紋、DNAの照合などを協力して、一つ一つ調べていくことになる。大きな動きが期待できる可能性もある」と今後の展開を解説した。

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