人より猫が好き! エサを食べない保護猫が先住猫のおかげで“心の病気”から回復

里親が見つかるまでの預かりボランティア宅にいた雪華(せつか)ちゃん。子猫の頃に保護されたのに、一向に人に懐かず、なかなか里親が決まらなかった。預かりボランティアの猫が病気になったため、知り合いのボランティア宅に行くが、ご飯をまったく食べなくなってしまった。

■里親さんが決まらない猫

雪華ちゃんは、野良猫が2015年9月に産んだ子猫だった。保護活動をしている人が地域猫のTNRをしていて、雪華ちゃんもリリースしようと思っていた。ただ、すごく可愛くて、誰か預かってくれる人がいないかなと思っていたところ、預かりボランティアが預かってくれることになったという。

雪華ちゃんは子猫だったが、あまり人に慣れなかったので里親が見つからず、3年間もボランティアのお家で暮らしていた。そうこうしているうちに、ボランティア自身の飼い猫の具合が悪くなり、他にも預り猫を抱えていたため、困っていた。長野県に住む、猫の預かりボランティアをしているモカ姐さんは、「1匹預かりましょうか」と声をかけた。モカ姐さんのところなら預かっている猫の数が少ないので、人に徐々にならしていける。そう思ったボランティアは2018年5月、モカ姐さんに雪華ちゃんを託すことにした。

■雪華ちゃんのハンスト

モカ姐さんのところにやってきた雪華ちゃんは、とにかくご飯を食べなかった。訳も分からず移動させられて怒っていたのか、2日間はトイレにも行かなかった。モカ姐さんは、前の預りボランティアと相談して、あらゆる手をつくしたが、自らご飯に口をつけることはなかった。病院に連れて行き、食欲増進剤を点滴してもらっても、あまり食べることはなかった。血液検査をしても悪いところは見つからず、完全に心の問題だということが分かった。モカ姐さんは、アニマルコミュニケーションをお願いした。

「この子、ここに来て本当につらい思いをしてるんじゃないかと思うと、すごく不安だったんです」

雪華ちゃんが来てから2週間後、モカ姐さんは、先住猫のシロップくんと雪華ちゃんをケージの外で会わせてみることにした。もともと雪華ちゃんを預かっていたボランティアも、雪華ちゃんがシロップくんに似た猫と仲良しだったので、きっとシロップくんのことが好きだと言った。それまでにも、シロップくんとはケージ越しに対面していたが、雪華ちゃんは、シロップくんのことが大好きなようだった。モカ姐さんは、雪華ちゃんがいる部屋でシロップくんにご飯を食べさせた。

すると、だんだん雪華ちゃんが食べるようになってきた。「夜、ごはんを置いておくと、朝になったら減っていたんです。一粒ずつカリカリごはんを置いたら食べることも分かってきました。食べてくれるまでは生きた心地がしませんでした」

■雪華ちゃんの食欲が回復

雪華ちゃんは、いつもシロップくんの後をついて回った。「最初は、預かった子なので里親さんを探そうと思っていたのですが、もう一度ハンスト事件を繰り返しまたつらい思いをさせるのかと思ったら手放せなくなりました。なによりシロップと仲良くなってくれたことが大きかったです」

シロップくんのことが大好きな雪華ちゃんは、モカ姐さん宅の猫になった。いまではもりもり食べている。

雪華ちゃんは、猫は好きだが、相変わらず人は少し苦手。雪華ちゃんが歩いているところにモカ姐さんが近づくと、パッと逃げてしまうこともある。それでも徐々に人にも打ち解け、抱っこもできるようになった。そばで寛いでいる時間も少しずつ増えた。

雪華ちゃんの大好き攻撃に少しタジタジのシロップくん。シロップくんはモカ姐さんに甘えたいのだが、モカ姐さんは雪華ちゃんともっと仲良くなりたい。三角関係だけど楽しい毎日を過ごしている。

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