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スーパーの店内、無駄な買い物をするように巧みに設計されている…働いてみて分かった裏方事情

予算も献立も決めたし、いよいよ買い物スタートと意気込んで店内へ足を踏み入れる。さて、あなたは、どちらに向かって歩き始めるだろうか。気が付けば、いつも同じ方向、同じコースを歩いていないか。じつはこれ、計算された動線通りに歩かされているのだ。スーパーのレイアウトは人間の心理を巧みに利用して設計されているという。とある店舗で働いていた経験を交えて紹介したい。

  ◇  ◇

いくつかのスーパーを使い分けている人なら、思い当たる節があるはず。どのスーパーも、売り場のレイアウトがほとんど変わらないことに。そして、いつも同じコースで店内を移動していることにも。

店に入ると、まず野菜と果物の売り場がある。しかもパプリカとかトマトなど、色合いのカラフルな野菜が最初に目に飛び込んでくるように陳列されている。さらに奥へ入って行くと、壁に沿うような配列で精肉、魚介、惣菜の売り場が配置されている。この三部門は、とくに厳格な温度管理を要する商品を扱うので、空気の入れ替えがゆるやかな店の奥に配置されているのだ。

そして、ぐるっと一周して出口付近にパン売り場。そしてフロアの中は飲料、冷凍食品、レトルト食品、お菓子の棚が配置されている。レジへたどり着く頃には、買い物かごが商品でいっぱいになっているという寸法だ。

これらの配置は、人間の心理を巧みに利用して設計されているという。まず入り口で、色のカラフルな野菜を見せて購買意欲を刺激する。肉や魚など、比較的値段が高めの商品を先にカゴに入れてしまうと、野菜の値段が安くても買い控えてしまう傾向があるため、先に野菜を買わせる効果もある。

また売り場の棚には「エンド」と呼ばれるスペースがある。「棚の端」の部分である。ここはお客さんの目につきやすい場所なので、その日のお買い得商品が置かれていることが多い。しかも手に取りやすい絶妙な高さになっているため、買う予定がなくても、つい手が伸びる。

このように店側が設定した動線通りにボンヤリ歩いていると、いつの間にか無駄な買い物をしてしまう。それを避けるためには、あらかじめ買うものをメモしておいて、店に入ったらまずは何も手に取らないで店内を1周歩いてみること。その日は何が安くなっているか、広告のお買い得品は売り切れていないかをチェックしつつ、さらに季節の変わり目にしばしば現れる「在庫処分」もチェックする。とくに在庫処分は、売り場のチーフが独自の判断で決める、広告に載らない「隠れたお買い得品」だ。

このように「敵情」を把握したら、いよいよ買い物開始。その日のメインの食材を買って、次に卵や牛乳など在庫を補充しておきたいものへと進み、最後に野菜を買うと予算をオーバーしにくいといわれている。

そして最後のトラップに引っかかってはいけない。それは、レジ横のお菓子。順番待ちで並んでいるあいだ、いちばん目につくように置いてあるから「ついでに買っちゃおうか」と手を伸ばすと店側の思うつぼ。どうしても買いたいときは、予算に組み込んでおこう。

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

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