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甲子園開会式・プラカード指導者は元シンクロメダリスト…一糸乱れぬ“動きの美”を指南

 猛暑の甲子園に白い帽子が涼しげな雰囲気を添える。夏の甲子園開会式でプラカードを持つ「式典誘導係」。1949年の第31回から兵庫県西宮市内の市西宮高校の女子生徒が務めている。

 彼女たちを指導するのは、元シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)世界水泳銅メダリストで同校体育科教諭の青石尚子さんだ。84年にナショナルチーム入りし、86年と91年の世界水泳でチームで銅メダルを獲得。89~91年は高山亜樹とデュエットで日本選手権3連覇した。

 大学卒業後に体育教師となり、97年に同校へ赴任。以来、誘導係の指導を担当する。シンクロ一色の青春時代を過ごしたため、野球にさほど興味はなく「まさか甲子園に携わることになるとは」というのが本音のようだ。

 7月に生徒を選抜し、8月の大会直前に校庭で練習を重ねて本番に備える。練習では「頭を動かしたら帽子のつばが動くから目立つで!」「全国から勝ち抜いてきた高校のプラカードを持つんや。大事なプラカードを絶対にゆがませたらあかん」と自覚を促す。

 出場校が外野からマウンドへ一斉行進するシーンは開会式のクライマックスだ。「頭を動かして横を見てはダメ。横目で隣の人と首、肩の位置を合わせなさいと指導します。シンクロでは顔が正面のまま、目をぎょろぎょろさせて動きや位置を合わせる。そういう部分はシンクロと通じますね」。一糸乱れぬ“動きの美”に通じるものがあるという。

 誘導係に大切なのは「目立たないこと」だ。頭を動かしたり、違う動きをしたりすれば目立つ。それでは選手の行進が台無しになる。「彼女らも抜てきされて甲子園の大舞台に立つわけですが、主役はあくまで選手」と難しい。「目立たず、与えられたことをやり抜くという達成感や責任感は、この役割でないと経験できない」。誘導係にもチームプレーは不可欠なのだ。

(デイリースポーツ・中野裕美子)

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