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テレビのなかにも電子レンジのなかにも金魚が泳いでいる 金魚だらけの街

 金魚の養殖・日本三大産地のひとつに数えられる奈良県大和郡山市。市の公式サイトにも「平和のシンボル、金魚が泳ぐ城下町」とあるように、街角のいたるところに金魚が泳いでいる。

 「金魚神社(植槻八幡神社)」や「金魚観音(金魚鑑賞魚藍観音像・やまと錦魚園内)」をはじめ、マンホールの蓋や街路にも、金魚モチーフが溢れる同市。このほか、自動販売機や改札機、電器店の店頭でも金魚が泳ぐという不思議な光景が見られる。

 一見、普通の電器屋さんかと思いきや…、こちらでは電子レンジや電気なべのなかで金魚が泳いでいる。街灯用ガラスカバーも巨大な金魚鉢に。これらはすべてご主人の考案だ。

 「金魚観音(金魚鑑賞魚藍観音像)」は、「郡山金魚資料館」が併設される「やまと錦魚園」の敷地内に。金魚や錦鯉など愛玩小動物の慰霊のため1981年に建立されたという。手の上の青い金魚は人間界に幸を祈願したものだそう。

 街をふらりと回るだけでも、これだけたくさん目に付く金魚たち。金魚推しはいつから? 市の地域振興課・山地晋さんと農業水産課・宮本和幸さんに話を聞いた。

 ──金魚推しの歴史は古いのですか?

 山地さん「江戸時代(1724年)、柳澤家が甲斐の国から大和郡山へ入ったときに、金魚養殖の技術を持ってきたと伝えられています。幕末に武士の副業として、明治以降は地形の利もあって金魚池が沢山つくられ、盛んに養殖されてきました。なぜ、ここまで金魚養殖が盛んかというと、水質と気候が(金魚養殖に)良かったからなんですよ」

 ──養殖といえば、金魚の生産量も日本で1~2位を争うほどだそうですね?

 宮本さん「2017年のデータで、年間5515万7千尾も販売されています。金魚すくい用の品種・和金の販売生産が圧倒的で、日本有数と言えると思います。すべての市町村さんの生産量を把握している訳ではないのですが、過去にニュースで日本一の販売生産量と記載された事もありますよ」

 ──金魚すくいと言えば、今年から市が主催の『全国金魚すくい選手権大会』が『世界大会』に格上げになったとか?

 山地さん「そうなんです、優勝したら世界一になれます」

 ──これだけ金魚が街を侵略していますが、街なかに金魚が泳ぎ出したのはいつ頃からですか?

 山地さん「せっかく観光に来ても(金魚の街なのに)金魚があまりいないということで、地元・柳町商店街(近鉄郡山駅から徒歩3分)の方々の主導で5~6年前から始まりました。そこで市も協力して2016年に『全国金魚のお部屋・おうちデザインコンテスト』を開催し、屋内・屋外最優秀賞、特別賞受賞者の方の作品を展示しています。地元の商店街がさまざまなアイデアを出して、市も一緒になって取り組んだという感じです」

 江戸時代から、城下町の養殖池で金魚たちが泳ぎまくっていた大和郡山市。今では商店街店主や観光協会職員が自ら考案し、街におもしろ金魚水槽が増殖しているのだという。とりわけ「金魚ストリート」と化し、SNSを中心に話題を集める「柳町商店街」では、店頭やショーウィンドーなど、商店街のあちこちで泳ぐ金魚が見つかる。

 巨大水槽「金魚箱」の金魚を眺めながら店主・森和也さんが焙煎したおいしいコーヒーを味わえる「K COFFEE」は人気スポットのひとつ。「本当に金魚が好きという人が落ち着くと言って来てくれる」と森さんは話す。

 また、金魚カフェ「柳楽屋」は、入口横の「金魚自販機」と「きんぎょソーダ」が人気。金魚愛が深い店主・青山さおりさんが「金魚に元気をもらいに来て、非日常空間を味わって欲しい」と、店内は金魚だらけ。

 8月18日には「第25回全国金魚すくい選手権大会」が同市でおこなわれる。大会に向け、いつでも誰でも練習することができる、金魚すくい道場「おみやげ処 こちくや」もある。同市では、金魚についての歴史・飼い方をはじめ、あらゆる知識を有した金魚マイスターを育成し、「金魚を飼う文化」を広めるため「金魚マイスター養成塾」も開講する。ぜひこの夏、金魚が泳ぐ摩訶不思議な大和郡山を探訪してみては?

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース・いずみゆか)

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