チア衣装、学ラン姿で楽器も兼任!独特すぎるスタイルがSNSでも話題の名門大応援団

演奏も自分たちで…独特すぎるスタイルが話題の一橋大体育会応援部
独特すぎるスタイルが話題の一橋大体育会応援部。学ラン、チア衣装のまま楽器も演奏している
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 学ラン姿で力強く腕を振り、高々と上げた足を踏み下ろすリーダー。鮮やかなコスチュームに身を包み、ダンスと笑顔で場を華やかに彩るチアリーダー。躍動感、時には厳粛さを表現する吹奏楽。三位一体で選手を鼓舞する応援団にあって、唯一無二のスタイルを貫くのが一橋大学だ。同大の体育会応援部は、リーダーとチアリーダーが楽器を兼任。演舞やダンスと同時に、部員が学ランやチア姿で演奏を行っている。

 6月末に神宮球場で行われた東都大学野球入れ替え戦。ステージを降りたリーダーが、ユーフォニアムから中低音を響かせば、ドラムを叩いていたチアリーダーがステージに立つ場面もある。試合は連敗で昇格を逃したものの、スタンドを大いに盛り上げた独特すぎる応援スタイルはSNSでも話題となった。

 女性では30年ぶりに主将を務める奥野理佳子さん(チアリーダー4年、ドラム&トランペット兼任)は、楽器の兼任を「他の大学では聞いたことがありません。多分全国で一橋だけなのでは」と笑う。部員25人(リーダー9人、チアリーダー16人)をまとめ、ボートやアメフット、ラクロスなどの試合応援をはじめ、大学祭や他大学との発表会など幅広く活動している。

 独特すぎるスタイルの歴史は古い。1977年、演奏に専念するため応援部から吹奏楽が独立。80年に楽器の兼任が始まったという。楽器は5パート(トランペット、アルトサックス、トロンボーン、ユーフォニアム、ドラム)で、部員の希望や適性、全体のバランスが考慮されて配置が決まる。大半が初心者だが、奥野主将は「チアとリーダーがより一体になれて盛り上がりますし、応援を届けられる幅が広がると考えています。それに演奏は楽しいんです」と前向きに捉えている。

 活動シーズンの全体練習は週に4回。1日あたりチアとリーダーの動きに3時間、演奏に1時間半を割く。他大学と異なるのはチアとリーダーが合同で練習する点だ。昨年、女性で同部初のリーダーになった伊東美優さん(2年、アルトサックス&トランペット兼任)は「人と違うことをしたかったので」と動機を説明しつつ「チアと一緒に行動する機会が多いので心強かったですし、助けられました」と話した。部のスローガンである「闘魂」を胸に、一丸で全力応援に励んでいる。

 春シーズンを終えた応援部。オフ期間を挟んで秋シーズンに向かう。奥野主将は「一番は応援で勝利に貢献できるように。そして見てくださる人に元気や楽しさを届けられたらうれしいです」と話した。部員25人は決して多くはないが、気持ちでは負けていない。「僕らは楽器ができるから、吹奏楽が25人いるのと同じ。50人の大所帯じゃないか」。部員の輪の中から明るい声が聞こえてきた。(デイリースポーツ・山本鋼平)

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