国会議員の元秘書が熊本で薬物捜査から逃走 警察は共犯者の存在も意識…小川泰平氏が指摘

 熊本市内で薬物事件捜査で家宅捜索に来た警察官を乗用車で引きずって逃走し、公務執行妨害と傷害の疑いで全国指名手配された、職業不詳・藤木寿人容疑者(43)について、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は10日、当サイトの取材に対し、情報公開が遅くなったのは薬物関係者(共犯者)の証拠隠滅や逃走を避けるためと指摘した。

 藤木容疑者は国会議員の私設秘書だった2015年に覚醒剤の使用で逮捕され、懲役1年6月(執行猶予3年)の判決を受けていた。小川氏は「逃げたのは覚醒剤を抜くため。採尿して反応が出てくれば覚せい剤取締法違反(使用)になる。そうでなければ必死になって逃げる必要はない。以前、捕まった時の執行猶予は切れているが、今度、捕まったら実刑の可能性もある」と逃走した容疑者の心理を分析した。

 藤木容疑者は覚せい剤取締法違反の疑いで家宅捜索に入った警察官6人を振り払い、駐車場に止めていた車で逃走。その際、制止しようとした警察官3人を車で引きずって軽いけがを負わせた。小川氏は「本来、6人は少ない人数ではなく通常の人数だが、先日、神奈川県で受刑者が逃走する事件があっただけに、結果的にだが、もっと警察官の人数を増やしてもよかった。逃走しないという思い込みや気のゆるみがあったのではないか」と指摘した。

 事件発生後、住民への情報公開に1時間半かかったことについて、小川氏は「現場の警察官からすると、逃げられたからといって自分からマスコミに連絡するわけではなく、組織に乗せるためにまず所轄署に報告する。その後、所轄署から本部に報告があがり検討される。結果的に1時間半かかったと推測される」と説明した。

 さらに、氏名や顔写真の公開が13時間後と遅かったことについて、小川氏は「覚醒剤事犯には必ず共犯者がいます。売った者、譲った者。藤木容疑者とつながりのある薬物関係者の突き上げ捜査を考えているので、同容疑者が指名手配されていることが分かると、関係者も『自分のところに警察が来るかもしれない』と証拠隠滅や逃走のおそれがある。そのため公開を控えて時間を要したと思われます」と解説した。

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