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野良猫の不妊手術と子猫の保護に奔走 個人で始めた草の根活動

 いまでこそTNRに理解のある動物病院も増えてきて、比較的スムーズに野良猫の不妊手術を依頼することができるが、10年くらい前は大変なことだった。静岡県に住む植松さんは、1匹の母猫のTNRと産まれてくる子猫の保護に奔走した。

■保護しないと殺されることもある子猫たち

 植松さんは、実家の近所の人が不妊手術をしないで野良猫にエサを与えていたため、同じお母さん猫が次々子猫を産むのを目にした。子猫が産まれると、近隣の農家の人のなかには、子猫を農薬で殺したり、人知れず葬り去ったりする人もいた。この地域に限らず、当時はいまほど動物愛護への理解も得られず、まるでゴミのように扱われたのだ。犠牲になる猫たちのことを思い、いたたまれなくなった植松さんは、2006年から猫の保護活動を始めたという。野良猫にエサをやっていた農家の人には、「私が不妊手術をするので、エサだけあげてもらえますか」とお願いしたという。

 「私の母も、野良猫の子猫を拾ってきては里親を探して譲渡していたので、自然に幼少期から動物を慈しむようになりました」

 植松さんは最初に、パールちゃんという真っ白な子猫と、その兄弟2匹を保護したが、パールちゃんは横隔膜ヘルニアという病気を患っていて、大手術もした。

 「パールの兄弟は里親を探しましたが、パールは、外に出すことなく自分で飼おうと思いました」

■子猫の捕獲後、母猫のTNRに成功

 2008年、まずは子猫たちの捕獲に乗り出した植松さん。捕獲器の中には1匹の子猫が入っていて、兄弟は見当たらなかった。生後2カ月くらいだった。

 その後、母猫をTRNするため捕獲に取り掛かったが、雄猫は比較的すんなり捕獲器に入るが、雌猫はとても用心深くてなかなか捕獲器に入らなかった。やっと捕獲できたと思っても、当時は、野良猫の不妊手術をしてくれる動物病院が非常に少なかったので、TNRは難航した。それでも、植松さんは、なんとか母猫のTNRをやり遂げた。

■バニラアイスクリームのように真っ白な子猫

 植松さんは、パールちゃんと同じように真っ白な子猫を、まるでバニラアイスクリームのようだと思い、バニラくんと名付けた。

 バニラくんは、捕獲されるまで母猫と一緒に野良生活をしていたので、人馴れしておらず、とても臆病だった。

 「パールちゃんと同い年くらいだったので、一緒に過ごさせたら、パールちゃんの後を、まるで弟がお姉さんを慕うようについて歩くようになったんです。2匹が仲良くなったので、一緒に飼うことにしたんです」

 パールちゃんとバニラくんは、いまでも一緒に寝ているという。

(まいどなニュース特約・渡辺陽)

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