シーバスリーガルの空き箱が魔法の騎士に… 「空箱職人はるきる」さん新作の超絶アート
神戸の大学生が作る、お菓子などの空き箱を使った精巧な紙細工が話題になっています。ポテトチップスの「プリングルス」を紳士に、ビスケットのアルフォートを「飛空挺」、はたまたチョコレート菓子の「トッポ」を空中都市に…。暮らしの中で何気なく見かけているデザインの箱たちを生まれ変わらせ、多くの人々を驚かせていますが、このたび新作が登場!。スコッチ・ウイスキーの「シーバスリーガル」の空き箱が…スコットランドよろしく・ハリーポッター的な魔法の物語に出てきそうな、騎士像に大変身です! 不思議な工作の世界を作者にお聞きしました。
制作しているのは、神戸芸術工科大4年の河口晴季(はるき)さん。「空箱職人はるきる」(@02ESyRaez4VhR2l)との名前で活動、Twitterで作品を発表しています。4月27日から5月12日まで、初の個展を神戸で開催したそう。
幼少期から紙工作が好きで、同大学のアート・クラフト学科でも紙工作を学ぶ中、2017年ごろからお菓子などの空き箱を加工した造形を制作するようになったといいます。いずれの作品も、設計図や展開図は頭の中で思い描くだけ。フリーハンドで紙を切り刻み、組み立てているといいます。
河口さんにお話をお聞きすることができました。
ー今回のウイスキーの空き箱を使った作品は新作ですか。
「個展の際には発表していなかった新作です。名称などは特にありませんが、中世の騎士をモチーフに作りました」
ーウイスキーの箱のデザインから、騎士を思いつかれたのですか。
「銀と黒の中世的な色合いから騎士を連想しました。箱の柄もモチーフにあっていて作りやすかったです」
ーしかし、いくら連想できても、かたちになるのがすごいです…。
「騎士の甲冑は鉄板で行うペーパークラフトのようなものなので、紙で作りやすいうえ、よく映えるので多く作っています。道具を持って作り始めてから13時間ほどで制作しました。甲冑は作り慣れたモチーフだったので、特に苦戦なく楽しく制作できました。逆に、動物的な丸みなどは紙では難しいですね。」
ー今回お酒の箱を使って、ぐっとシックな作品を作られたことに、何か心境の変化などはあったのでしょうか。
「特に今回が特別なわけではなく、今までにもお菓子以外の箱を使うことはあったので、その延長線ですね。お酒はお洒落な箱が多いので他にも作っていきたいと思っています」
ーああ、てっきり個展が終わって祝杯でもあげられていたのかと…。
「2箱使って制作しましたが、お酒に強くないので中身は友人に渡しました」
ー箱は購入されているのでしょうか。
「いつもはスーパーなどを歩きながら作品を思いついたら商品を買うというような感じでやってますが、今回はネットでシーバスリーガルのデザインの良いものを見つけたので、ネットオークションで購入しました。現行のものとは違ったので、古いものを落とした感じです」
ーこだわりの商品だったのですね。ちなみに、何年ものとかありますか?
「すみません、何年ものかはわかりません、容量は700mlです」
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ちなみに、シーバスリーガル。どんなイメージのお酒なのか、お酒に詳しい記者を経由して神戸・三宮のバーのマスターに聞くと、「どんな飲み方にでも対応できて、味わい的にも品があってコスパ最高のウイスキーだと思います」とのことでした。箱まで作品に使えて異世界を表現できちゃうんだから、最強ですね。えっ?「おっさんがスナックでキープするときによく使われる、ちょっと良さげなお酒」という指摘もあるって…? そうねえ…。でも、おっさんだって、誰かの「騎士」になりたいと夢見る瞬間がきっとあるのよ。ちょっと無理して奮発して。全然意味分かんないけど。
(まいどなニュース・川上隆宏)
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作品は「空箱職人はるきる」(@02ESyRaez4VhR2l)のTwitterアカウントでご覧いただけます。