想定外の人気「わさビーズ」 発売元は6月から設備増設へ

 見た目の美しさもあって「わさビーズ」なるものがSNSで話題になっている。なかなか購入できず、メルカリなどのオークショーンサイトで、2倍~4倍の価格で取引されている。発売元もホームページ上で「このような行為に関して、品質管理上、弊社としましては看過・容認できるものではありません」と注意するほどの人気ぶりだ。

 わさび好きの筆者は、関西在住のため購入できない。そこで関東に住む知人にクール便で「わさビーズ」をわざわざ送ってもらった。ちなみに新横浜駅のキオスクで買ってもらったのだが、消費税込みで1瓶594円、送料は1131円の費用がかかった。

 重厚な瓶に入ったキラキラの粒々たちは、確かに商品名であるわさビーズにふさわしい。ただ、どう見てもイクラに緑色の何かを着色したように見える。そして肝心要、本当にわさびの味がするのか。よし確認しよう。

 用意したメニューは、ざるそば、いくらの軍艦巻き、そしてフランスパンとパンにのせるためのオイルサーディン。早速ざるそばにふりかけ、麺をそばつゆにつけていただく。ところが、このわさビーズ、ツルツルと滑ってなかなか口の中に入らないではないか。それでも何粒かほおばった結果、確かに辛い。

 今度はいくらの軍艦、赤いいくらの粒を端に寄せて、わさビーズを15粒ぐらい盛ってみた。赤と緑の“共演”がインスタ映えしそうな光景だ。そしてパクリ。数秒後。「(ツーン)キタッ~~~~~~」。口の中で、多めにわさびを食べたときと同様の現象が起きた。かむのをいったん止めて鼻にきたツーン感が収まるのをしばし待った。こ、これは本物のわさびだ。

 最後に、フランスパンにオイルサーディンをのせて、わさビーズを5粒ほどふりかけた。パンにのせたわさビーズは安定感抜群で難なく口へ運ぶことができた。5粒ぐらいがちょうどいいかも知れない。オイルサーディンとの相性もよく、ピリッときておいしくいただけた。常備しておきたい料理の脇役だと感じた。そこで全国販売のお願いがてら、わさビーズの販売元、株式会社田丸屋本店(本社・静岡市)のR&D部開発課、松永悠佑さんに話を聞いた。

 -商品化のきっかけを教えてください

 「10年前より当社社長よりわさびの辛味を閉じ込めたいとの意向がありました。技術を導入しまして3年ほどで今のわさビーズができあがりました。昨年の10月に業務用として発売しましてイベントなどで一般用を望まれるお客様が非常に多く昨年の12/22にミニビンタイプのわさビーズが販売する運びとなりました」

 -わさびをビーズ状にするという奇想天外なアイデア、しかも明治時代からわさびを販売している老舗で、社内で反対する声はなかったですか?

 「もちろん、新しいことをするには何かしら反発がありますが、もともと開発部としては既存のわさび漬けより少し外れて新しいお客様へのチャレンジを繰り返していて、わさび漬けメーカーというよりわさび総合メーカーとして会社が動いていたので反対はあまりなかったです」

 -わさビーズのこだわりは?

 「着色料を一切使用していなく、地元静岡にこだわった静岡県産のわさびの天然の色と香りを閉じ込めたものになります。ありそうでなかったわさびの食シーンを広げられるものだと思っています」

 -通販で買おうと思ったら、売り切れでした。こんなに人気が出るのはイメージ通りだったのでしょうか、それとも想定外?

 「SNSで火がついてから人気が落ちるどころかさらに高まっています。社内では想定外でした」

 -人気商品になったことで、出荷態勢を整備して、量産態勢に入っているのでしょうか。

 「6月より社内では設備を増設しています」

 -現在は静岡以外、東京都内や新横浜駅などで販売していらっしゃると思いますが、全国展開はされますか。

 「全国展開は若干でありますがしています。ご要望が全国・世界からきていますので少しずつではありますが広げていきたいと思っています」

(まいどなニュース・佐藤利幸)

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