「まるで結婚のよう」譲渡会にピンチヒッターとして登場した猫、運命の出会い 

 杉本ミルちゃんは、淡い色合いの毛色がチャームポイントのパステル三毛猫。ある時、他の猫が出るはずだった譲渡会にピンチヒッターとして登場。そこで、現在の家族と運命の出会いを果たす。

■多頭飼いしたい、でも迷いもあった

 大阪府に住む杉本さんは、キジトラの保護猫メメちゃんを飼っている。2018年6月、メメちゃんが2歳になった頃、上のお嬢さんが台湾に留学し、ご主人も単身赴任になった。息子さんと2人きりの生活で少し身軽になったことに加え、メメちゃんを飼って良かったという喜びと、猫が可愛いという気持ちが膨らみを増して、2匹目の保護猫を迎えたいという気持ちがだんだん強くなっていったという。

 「猫の譲渡サイトをいくつか見たのですが、多頭飼いしてみたいという気持ちとは裏腹に、大変なことも2倍になると、どこかでブレーキをかけていたんです」

 2匹になると、トイレのそうじやごはんのお世話も倍になる。2匹同時に病気になった時のことや経済的なことも頭をよぎったという。

 「先住のメメは、トイレのそそうもしないし、カリカリも美味しそうに食べてくれるけど、新しい子はどうだろうと、どの子にするか決めないうちから考えていました」

■譲渡会に行ってみたら、どんどん話が前に進んだ

 杉本さんは、ある日「ネコジルシ」という譲渡サイトを見ていたら、いつもお花を買うネットショップの人が猫の保護をしていることが分かった。

 縁を感じて連絡してみると、その花屋さんが主催する猫の譲渡会が9月にあるという。

 「その頃はまだ、多頭飼いするデメリットとか、もっと可愛い子がいるんじゃないかとか、運命的な出会いがあるはずだとか、いろんなことが頭をよぎりました」

 しかし、息子さんと2人で譲渡会に行ったら、そんな迷いは一気に振り切れた。もんもんと頭の中で悩んでいるだけでは一歩も前進することができなかったが、譲渡会に行ったことがきっかけでどんどん前に向かって展開していく。当時を振り返り杉本さんは、「まるで結婚のようだった」という。

■ミルちゃんとの運命の出会い

 譲渡会の会場で、息子さんは、一匹の布にくるまっている子がいいと抱っこした。パステル三毛猫の子猫で、保護主さんとの相性も良かったという。たまたま他の猫のピンチヒッターとして来ていたミルちゃんを選んだので、運命も感じたそうだ。

 譲渡会当日はエントリーだけして帰宅し、連絡を待っていると、保護主さんから譲渡決定の連絡が来た。それからは、あれよあれよという間に事が運んでいったそうだ。

 「ミルは、保護主さんがTNR(地域猫活動・捕獲し不妊手術をした後、地域に戻す)をしているエリアの駐車場で、車のボンネット付近から鳴き声がしたので捕獲器を設置したところ、すぐに中に入っていたそうです。突然子猫が出現したことと、ノミやダニがくっついていなかったので、誰かが捨てたと考えられています」

■何も食べなくなってしまった先住猫メメちゃん

 2018年9月、推定2ヶ月のミルちゃんが家に来ると、先住猫のメメちゃんは、「シャーッ」と威嚇した。しかし、ミルちゃんは、お構いなしにメメちゃんにくっついていったという。

 同じような状態が続き、10月になるとメメちゃんは何も食べなくなってしまった。ストレスではないかと心配になり病院に連れて行ったが、11月になると、メメちゃんがミルちゃんのグルーミングを始めた。

 「ミルは、何度か布団にオシッコをしたんですが、洗える布団なので大丈夫なんです。清潔な布団で寝られるとポジティブに考えています。洗面台にウンチをすることもありますが、それも洗えば済むことです。それよりも、いまは、多頭飼いして良かったと思っています」

 ミルちゃんは、警戒心が強く、あまり抱っこが好きな猫ではなかったが、いまでは心を許し、近寄ってきてコロンとお腹を見せてくれるという。(まいどなニュース特約・渡辺陽)

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