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【半井小絵 空を仰いで】令和と共に迎える大型連休の天気

美しい巻雲(dwph/stock.adobe.com)
気象予報士・半井小絵
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 「空を仰いで=2=」

 桜前線は現在、北日本をゆっくり北上して、日本列島を桜色に染めています。

 4月中旬に仕事で訪れた富山と山形では満開の桜と出会えました。各地で出会う方々とのふれあいとともに素敵な思い出となりました。

 まもなく大型連休が始まります。連休初日の土曜日は北日本や東日本で寒気の影響で季節が逆戻り、日本海側を中心に冷たい雨が降り、山では雪のところもあります。西日本は晴れのスタートですが、青空は続かず全国的に快晴の日が少ない傾向です。気温の変化が大きいので、お出かけの服装はご注意ください。

 そして5月、「令和」の時代へと御代替りします。

 万葉集の「初春の令月にして 気淑(きよ)く風和(かぜやわら)ぎ 梅は鏡前の粉を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香を薫らす」(書き下し文)から付けられたということです。

 古来、万葉集が詠まれた時代に最も愛された花は梅だったそうです。春は桜というイメージがありますが、それは待ち遠しい春を最初に告げる花だったからでしょう。

 前回、春に吹く柔らかく優しい風を「和風」と呼ぶという話を書きましたが、新元号の由来に「和風」を逆にした「風和」という文字が入っているではありませんか!これを予言といえるのかはさておき、初めての日本由来の元号で、「れいわ」と声に出して読むと、雅で凛(りん)とした響きが心地よく感じられます。

 万葉集の中で好きな歌があります。

 面形(おもかた)の 忘れむしだは 大野(おほの)ろに たなびく雲を 見つつ偲はむ(顔かたちを忘れそうになった時には、広い原野に出て、たなびく雲を見ては、あなたのことを思い出すようにしましょう)

 横に薄く長くただよう雲に例えられた愛する人は、どんな方だったのでしょうか。きっと優しい人だったのでしょう。積乱雲のように空高く発達する雲だったとしたら、力強さを持つ方なのかしらと想像しています。

 現在、世界共通で使われている雲の分類は、巻雲(通称すじぐも)、高積雲(ひつじぐも)、積乱雲(にゅうどうぐも)など10の形に分けられ、「10種雲形」と呼ばれています。その基礎をつくったのが、英国人のルーク・ハワードでした。そのハワードの論文に影響を受けた詩人ゲーテが雲に関する詩を書いています。

 「巻雲」

 そして、蒸気は高みへ高みへと昇る。勝利は、魂のもっとも高貴な推進力だ!

 そして、銀色の覆いが掛けられた羊のように、綿毛の山は露となって分かれる。

 あるいは、休息の王国に向かってゆっくりと漂い、神の御胸に暖かく抱きとめられる。

 (出典『雲の「発明」気象学を創ったアマチュア科学者』扶桑社、2007年)

 いつの時代にも、どの国でも、雲にロマンを感じるものなのですね。

 この大型連休中、雲を眺めて、詠み人や詩人になってみてはいかがでしょうか。

 (気象予報士)

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