渡り鳥の胸肉が日本を救う?注目の疲労回復成分「イミダペプチド」とは
新年を迎え、仕事始めに新年会と早くも疲れ気味の方も多いのでは?それでなくとも日本人が抱える「疲労」は以前から深刻だ。そんな“疲労大国”を救うカギが「渡り鳥の胸肉」にあるという。
一説には疲労による日本の経済損失は年間約1・2兆円とも言われる。近年は「睡眠負債」という言葉が広まったり、疲労回復を目的にしたジムができたりと人々の関心も高い。(公財)大阪市都市型産業振興センターの調査では「抗疲労・癒し」に関する市場規模は広がりを見せており、2020年に推計約12兆円になるという。
そんな市場の中で注目を集めているのが、鳥類の胸肉などに多く含まれる成分「イミダペプチド」だ。「抗疲労食薬開発」のため2003年から始まった産官学連携の大規模プロジェクトが、9日間も休まずに飛び続ける渡り鳥の胸肉のパワーに着目。検証の結果、鶏胸肉からも抽出できる同成分に、疲労を抑制する機能があると明らかになった。
総医研ホールディングス(大阪府豊中市)子会社の日本予防医薬では、09年から飲料「イミダペプチド」を発売。1本30mlに1日で必要な同成分200mgを配合している。鶏胸肉に換算すると100~200グラムに相当し、飲料摂取がいかに効率的か分かるだろう。
売り上げは右肩上がりで、これまでにシリーズ累計3100万本以上を出荷、延べ40万人に愛飲されてきた。気になる味も、ハチミツと濃縮リンゴ果汁を加えるなど飲みやすく工夫されている。ちなみに通信販売で1回のみ購入の通常価格は10本2680円(税込み、送料別)。スポーツジムや薬局など一部店舗でも購入できる。
同社マーケティング部の吉川貴大さんによると、特に疲れている人は朝と夜に1回ずつ飲むとより効果的。寝る前に「イミダペプチド」をプラスすることで睡眠の質が高まり、疲労回復が早くなるとか。たしかに、睡眠、食事、適度な運動なくしては、どんなに優れた成分でも効果が薄れてしまう。
昨年9月、メディケア生命保険が実施した「ビジネスパーソンの疲れとストレスに関する調査2018」では、関東と関西の8都府県で「心身の疲労を感じる」「ストレスが溜まっていると感じる」と答えた人が約7割に上った。特に関西で割合が高く、No.1は大阪府民という結果に。25年の大阪万博開催テーマには「健康」が盛り込まれているが、果たして私たちは世界に向けて「健康」を堂々とアピールできるようになるのだろうか-。ひょっとすると“渡り鳥の胸肉パワー”がカギを握っているのかもしれない。(デイリースポーツ特約記者・福岡 桃)