おみくじの裏事情「ただし、大凶は…」 有名神社の宮司に聞いてみた

 正月といえば初詣、そして初詣に行ったら「おみくじ」を引くのが楽しみという方が多いのではないだろうか。「大吉だ~」と喜ぶ人がいる一方、最近では「凶」を引いた人が喜んで(?)「凶を引きました」とわざわざSNSにアップすることも多い。なかには「○○神社は凶の出る確率が高い」と神社を名指しすることも。このように、おみくじの結果は社寺によって割合が違ってくるのか。関西のとある有名神社の宮司に、おみくじの裏事情を聞いてみた。

 ◇  ◇

 -そもそもおみくじは社寺ごとに作っているのですか?

 「いわゆる専門業者が作る『既製品』を採用しているところが多いですね。自前で作っているところは稀でしょう」

 -社寺によって結果の割合が変わるのでしょうか。

 「神社・寺によって、それぞれの割合は変わります。それは先ほどの既製品のリニューアルのタイミングによって、割合が変わってくるからです」

 -故意に割合を変えるケースもありますか?

 「おみくじを引くときは、ガラガラと回すものと筒の中の棒を引くタイプがありますが、筒のタイプを使って、結果の割合を変える神社があると聞いたことがあります。棒に番号を振っていますが、これには1~50、1~100があり、筒に同じ番号を複数入れているそうです」

 -結果の種類は?

 「地域によって違いますが、一般的に大吉、中吉、小吉、吉、末吉、凶となっています。そのほか大凶、半凶、吉凶、平(へい)もあります。ただし、大凶は抜いているところがあります」

 -凶を少なくする社寺があるのは、その方が参拝客に喜ばれるから?

 「最近はいろんな声を聞きます。大吉は逆に喜ばれないとか。これは引いた今がピークととらえここから先は伸びしろがないととらえるからでしょう。SNSで凶の写真をアップしている人は凶自体が珍しいのと、引いた今が底でこれからは上がるしかないというとらえ方をしているのでしょう」

  ◇  ◇

 おみくじは「神慮(しんりょ)」、つまり神様のお教えが書かれているもので、吉、凶にかかわらず引いた本人がどう解釈して行動するかが大切。書かれている内容を今後の生活の参考にしたいものだ。(神戸新聞・佐藤利幸)

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