深夜のコンビニは要注意、自宅近くで防犯ブザー携帯を 横浜刺傷事件で小川泰平氏が女性に警鐘

 横浜市内で11日午前3時30分ごろ、不審な男が会社員の女性(34)を刃物で刺して逃走する事件が発生し、12日夜に強盗殺人未遂容疑で近くに住む無職近江良兼容疑者(71)が逮捕された。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は同日、デイリースポーツの取材に対し、夜道を1人で歩く女性の防御対策を訴えた。

 捜査関係者によると、女性は帰宅途中に商店街のコンビニに寄り、店を出てまもなく襲われ、数十メートル歩いて逃げたという。新聞販売店店主(60)に助けを求め、この男性が通報した。女性は靴を履いておらず、左脇腹付近が血で真っ赤になった状態だったが、命に別状はなかった。

 現場はJR横浜線の大口駅から約400メートル。神奈川県警は商店街だけでなく、近くにある国道付近の防犯カメラの映像を解析して犯人の行方を追っていた。防犯カメラには杖のような物を持った黒い上着の男が女性の後ろを歩く姿が映っており、近江容疑者が浮上した。金品を奪う目的で、女性の背中や腹など上半身を複数回刺すなどして殺害しようとした疑いで逮捕され、県警によると本人も容疑を認めている。

 小川氏は「この場所には何度か行ったことがあるが、夜は店が早く閉まり、終電後は歩いている人も非常に少ない」と周辺の様子を説明。「凶器を準備して(男性に比べて体力的に)弱い女性を狙っている」という犯人の凶行を防ぐため、その防御策を解説した。

 まずは「人通りのある通りを歩くこと」だという。小川氏は「夜間は特に近道をしないこと。ショートカットになる路地は極力避けて欲しい。また、最寄り駅から家までの間で逃げ込める家や店を日頃からシミュレーションしておくことも必要」とした。さらに「歩きスマホ、イヤホンで音楽を聴きながら歩いている人はひったくりや痴漢の被害に遭うことが多い。人の気配に気づかないからです」と注意を呼び掛けた。

 その対策として「防犯ブザー」を挙げた。小川氏は「1人の女性が防犯ブザーを鳴らさなければいけない事態は1年間でもほとんどない。1000円くらいで買えるが、使う機会がないので、持っていても電池が切れていたり、カバンの底に入っていたりで、いざという時に使えないことが多いのも事実。犯罪者は音や光を非常に気にするので、夜道を歩く時は、例えば自宅まで最後の200メートルだけは防犯ブザーを手にして歩く癖をつけてもらいたい。スマホのアプリでも防犯ブザーはあります。自宅が見えてきた時が一番安心して気を許すので狙われやすいからです」と説明した。

 また、同氏は「深夜に1人でコンビニに入って買い物することも極力控えた方がいい。弁当を1つだけ買っていると“一人暮らし”であることが分かってしまうし、(弁当を温めるなど)コンビニは一般的に自宅の近くであることが多いので、狙われて後をつけられる可能性がある」と指摘。「もちろんコンビニを利用する必要はあるわけで、夜間に買い物をする時はそのあたりも意識しながら、いつもとは違う店を選ぶなどの注意が必要でしょう」と、慎重な姿勢の必要性を語った。

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