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ドンファン事件「真犯人」を探る新刊本 カギ握る新たな人物は!?小川泰平氏が検証

5月24日に野崎幸助さんが急死した和歌山県田辺市内の自宅(撮影・小川泰平)
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 “紀州のドンファン”こと和歌山県田辺市の資産家で酒類販売会社社長、野崎幸助さん(享年77)が5月24日に急性覚醒剤中毒で不審死してから約5か月。真相が解明されない中、野崎さんを生前から密着取材していたライター・吉田隆氏の新著「紀州のドン・ファン殺害 『真犯人』の正体」(講談社+α文庫)が発売された。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は21日、デイリースポーツの取材に対し、同書に記された“新事実”を検証した。

 吉田氏は、野崎さんの自伝本として出版された「紀州のドン・ファン」と「紀州のドン・ファン 野望篇」のゴーストライター。この2冊に続く第3弾は自著として世に出る。小川氏は「野崎社長は吉田さんのことを非常に信頼していた。それは周りの方もそう話しています」という。

 これまで、野崎さんが急死した際に自宅にいた22歳の妻Sさんと、約30年来の付き合いになる60代家政婦の動向が報じられてきたが、同書には別の人物も複数登場する。いずれも事件への関与は不明だが、こうした人物たちが周囲にいた事実を列挙することで、野崎さんの生活ぶりとその背景が見えてくる。

 同書によると、東京都内在住で、家政婦を志願して野崎さん宅に来たものの、「2億円を無担保で貸してほしい」と要求して解雇された中年女性がいた。小川氏は「亡くなる数週間前に妻のSさんが東京から田辺の家に戻ると、突然“家政婦”だという人が自宅にいたという話を以前、インタビューで答えていました。その人と同一人物かどうかは、発信どころが違うので分かりませんが、その人も野崎さんを怒らせて1日で帰らされたとの話でした」と明かす。

 また、他の地方から「自伝本を読んで感動した」として田辺市の自宅を訪ねてきた60代くらいの男女2人組がいたが、実際に話してみると、本を読んでいないことが明らかで、野崎さんは贈答用の梅干しを渡して帰らせたという。小川氏は「本を読んでいないのに“ファン”というのはおかしい。お金目当て等で近づいてきた可能性もある」と指摘した。

 その中で、大阪在住の“元愛人”の証言が目を引く。同書によると、亡くなる2週間ほど前に野崎さんから電話で「オレは今、覚せい剤をやっとんやで~」と言われたという。野崎さんが東京で展開していた貸金業のティッシュ配りのアルバイトをしていた縁で付き合い、次々に替わる交際相手の中でも唯一、10年にわたって交際していたことから、警察が事情聴取をした女性の1人だと思われる。

 だが、この証言について小川氏は疑問を呈した。「私が聞いた話だと、微物(びぶつ)を専門に鑑識する班が野崎さん宅のソファーやカーペットなどから、すべての微物を採取したが、そこから覚醒剤の反応は出ていない。ということから本人が以前から覚醒剤を常用していたとは考えられない」と反論した。

 さらに、同書では“最後の愛人”として、身長170センチ以上のスポーツ・トレーナーの存在にも触れている。ミス・コンテストの世界大会の最終選考まで残ったとされるプロフィルから、野崎さんが「ミス・ワールド」と呼び、死の17日前となる5月7日には都内のホテルで一夜をともにしたという。妻Sさんには「離婚してミス・ワールドと結婚する」と離婚届を渡した一方、「破り捨ててもいい」と伝え、Sさんは破り捨てたという。

 小川氏は「野崎さんが『ミス・ワールド』と呼んだ女性の存在、Sさんへの離婚届云々という話も聞いています。ただ、野崎社長は他に好みの女性が現れると、付き合っている女性に『別れる』と言い出すので、今回もその一つではないかと。Sさんとは結婚していたので『離婚』という言葉が出てきたのだと思いますが、本当に離婚するつもりがあったのかは疑問です」と推測した。

 今回の出版で捜査の進展に影響が出てくるだろうか。小川氏は「薬物捜査班の専門チームが入り、継続捜査している」と解説し、「真相究明に向けて鋭意捜査がなされている。このまま未解決というわけにはいかないだろう」と明かした。今後の動向が注目される。

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